血流と眠気の関係 自律神経の安定と血行に関係が

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入院していたり、寝たきりの状態を続けていたりすると、充分に眠っているのかいないのかが分からなくなるようになります。安静臥床の姿勢が長くなると、血流が悪くなるのがその原因とも言われていますが、寝た姿勢が長くなる人が、充分な睡眠をとるためには、「血流」と「眠気」を意識し、自律神経を整えることが大切です。

○自律神経とは

普段の生活の中で、「朝目覚めて夜眠くなる」というサイクルは、自律神経が整っているために正常に繰り返される活動です。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は「活動」、副交感神経は「休息」をつかさどる神経と言い換えることができます。

○交感神経と副交感神経の入れ替わり

朝目覚めて、活動的に体を動かすときには、活動しやすいように興奮した神経状態となります。これが交感神経優位の状態です。身体機能が活動モードに入ると、全身の血流が比較的悪くなり、体温は低めです。消化器官の動きも停滞気味になります。反対に、副交感神経が優位な状態では、体は温まり血流が良くなることで眠気を誘います。体を休ませるモードになり、脳や内臓のほうに血液を使います。交感神経と副交感神経の入れ替わるタイミングは、夕方が理想です。自律神経のスイッチが夕方に切り替わると、日没後には自然な流れで体をリラックスさせて、夜の眠気を起こしやすくなります。

○規則正しい生活が大切

入院や施設に通っている患者さんは、規則正しい生活を送るような看護計画を実施されます。毎日の入院(施設)生活の中で、食事を決まった時間に摂り、ケアや入浴、軽い運動を日中に取り入れることは、血流循環を促し、夜にきちんと眠気を誘い安眠効果を上げることにもつながります。ただ、同じ姿勢を保持したまま、充分に体を動かせない状態が続くと、血流が悪くなって常に休息モードの副交感神経優位が続いてしまいます。そうすると、日中に浅い眠りを繰り返し、夜に眠気を催さなくなってしまい、慢性的な睡眠不足になる可能性があります。

●朝きちんと目覚める

体を自由に動かせない状態が続くと、疲労を感じる場面が少なくなるため、眠気が起こりにくいというのも不眠の大きな原因です。ほんのわずかな生活サイクルの狂いが、自律神経の正常な入れ替わりを阻害してしまう事になりますので、入院が長くなる人こそ、毎日の規則正しい生活が重要になります。朝日をきちんと浴びて目覚める・日中に自然光を浴びる・風に当たる・座位や体位変換で血流を促す、などの身体的刺激を取り入れて、交感神経を刺激するようにしましょう。また、夜はなるべく刺激を避け、リラックスできる環境を整えることで眠気をさそい、充分な睡眠をとることができるようになります。

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