血行を促進し褥瘡を予防 ケア方法と薬

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褥瘡は、とくに寝たきりの高齢者にとって、一度発症すると治癒が難しくなるため、褥瘡を起こさないようにする予防が恒常的に必要になります。褥瘡ケアをする際も、予防と同様に症状を進行させないようにさまざまな配慮をしながら丁寧に行いましょう。

○褥瘡とスキンケア

寝たきりや車いす生活が長くなると、体位を変えることが難しくなり床ずれを起こしやすくなります。特に腰部から仙骨にかけては、寝た姿勢でも座位であっても、最も重力がかかり圧も増すことで褥瘡が起こりやすい要注意部位です。

  • スキンケアの重要性

寝たきりの姿勢を取らざるを得ない場合の多くは、排泄がタイミングよく行えないためオムツを使用します。オムツを着用すると、湿気がこもりやすくなり皮膚がふやけて柔らかくなりすぎてしまいます。そこに尿や便で皮膚が不衛生な状態が長くなると、汚れが刺激になり赤みやかゆみ、痛みを伴う炎症を起こします。この炎症が引き金となって褥瘡を起こすことに繋がります。

  • 保湿と清潔

常に清潔な皮膚の状態を維持する為には、排泄の有無にかかわらず、おむつを短いサイクルで取り替えることが一番です。しかし、必要以上に何度も臀部を洗うと、皮膚のバリア機能が弱まり、乾燥してしまいます。弱酸性のボディシャンプーやせっけんを使って、良く泡立ててから臀部を洗浄しましょう。この時に、ごしごしとこすると皮膚を傷つけてしまい、傷になった箇所から細菌が侵入してしまう可能性もありますので、こすらずにやさしく洗い、石鹸成分が残らないように、柔らかいタオルでキレイに拭き取ります。合わせて皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果を高めるためにワセリンなどの外用薬を塗布しておきましょう。

○褥瘡ケアと血行促進

血行が良い皮膚は丈夫になります。血行促進する為には運動が最も効果的ですが、寝たきりの状態は運動を制限し、スムーズに血液を全身に送ることができません。全身の洗浄は皮膚を清潔にし、なお且つ洗浄する時に関節その他の部位を持ち上げて体位を変えることで、強制的に運動と近い動作を引き起こします。また皮膚へのマッサージは、血行が悪く冷えが起こっている部分を温め、血流を促します。強い刺激になるマッサージは避けなければなりませんので、クリームや外用薬を塗布する時に、やさしく触るような感覚で行いましょう。可能であれば、入浴することをお勧めします。全身を温めることで血行が促進され、皮膚を清潔に保つことが出来ます。褥瘡傷がある場合は、湯につかる際に被覆材(ドレッシング剤)で患部を覆い、お湯が汚れないように配慮します。最後に被覆材を取って患部を洗います。入浴した後の消毒は必要ありませんので、消炎作用のある外用薬を用いて患部をケアしましょう。

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