敗血症の治療と看護計画 病巣管理と精神ケア

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突発的に発症した危機的病いを患い、救急搬送された場合、その多くは集中治療室(ICU)で救命措置を続け、容体が落ち着くまで治療を継続することになります。
常に全身の状態を監視するために、様々な医療機器やチューブを挿入し、モニタで確認することになりますが、この看護を行うために出入りする看護師や医師は、別の症状を発症していないかも合わせて確認することとなります。
注意深く看護計画を練り、実施を行いますが中でも注視したいのが敗血症とストレスケアです。


○敗血症の病素特定までにかかる時間
ある特定疾患を発症したことにより、危機的状態に陥った場合、救急措置を受けてその原因を特定し治療を開始します。内臓系疾患など、長らく患っていた病気によって、その症状が悪化した子により倒れた・意識を失ったという場合は、原因を特定するまでにさほど時間を要しません。
しかし、ウイルス感染などによって、病素となる細菌が体内に侵入し、その細菌が血中に入り込むことで起こる発熱や頻脈、低血糖などの症状は、その症状を引き起こすもととなった細菌に効く薬を用いなければ、症状が改善されません。
体のどの部位から感染したのか、またその細菌の種類は何なのかを判断するまでに時間がかかり処置が遅れてしまえば、遅れた時間の分だけ症状は悪化し、根本的な治療をスタートすることになりません。

 
○治療が長くなることで起こるリスクは
敗血症を発症したのちに、効果的な治療を開始するまでには、血液検査や画像診断(CT等)を実施して、考えられる細菌に効く薬の投与を行って反応を見ます。一進一退を繰り返して改善がみられなければ、次の可能性を探るという作業を繰り返すことになりますが、その時間が長くなるほど、体内臓器に負担もかかります。
特に腎臓や肝臓へのダメージが大きくなり、機能不全に陥りかねません。体温や心拍など通常の看護に加えて、意識障害・呼吸・しびれや痛みなど、自覚症状を聞き取り慎重に対応するように、看護計画立案をしておかねばならないでしょう。
突然容体が悪化することも考えられるため、常に緊急処置を行えるように、気になる症状をあらかじめ医師に伝え、注意すべき点を看護計画に組み入れることが大切です。

 
○改善までの時間と患者のストレスレベル
ICUでの治療が長くなると、症状を治療するための処置が最優先されます。そのため、褥瘡や装着機器の圧迫痕などへの配慮が二の次になってしまいがちです。
また、意識がはっきりしている患者にとって、このような安静状態は大きなストレス状態といえます。疾患治療と敗血症などの二次症状を同時に治療することへの不安、体の状態悪化による不安など、メンタル維持を患者自身だけで行うことは非常に困難です。
数値や身体レベルの観察に加えて、圧迫によって痛む創傷箇所のケアを可能な限り行うというような、気遣いを行動であらわすことができる処置を看護計画に随時組み入れると、患者の精神的安定も維持しやすくなります。
敗血症ショックを起こせば生命維持にもかかわるため、こまめに患者の容体を確認し、わずかでも変化があれば報告、看護計画の記録を行い、原因特定につなげられるようにしましょう。患者が落ち着いて治療を医師と看護師に任せられるようなメンタルケアにも十分配慮することが大切です

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