褥瘡の症状と局所のアセスメント

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アセスメントとは、“看護過程(情報収集、アセスメント、問題点の抽出、看護計画)におけるプロセスのひとつ”(引用 https://www.kango-roo.com/word/8660 ナースみんなのコミュニティ看護roo 専門用語ページより)の意で、看護や介護の現場で頻繁に行われるケア過程のひとつです。
褥瘡を予防、観察して、その時々に必要な処置を施していくことが、治癒を目指すうえでとても重要になります。
そこで、褥瘡を発症してから、各段階でおこる症状や兆候を知り、どの段階でどのような処置が必要かを、観察しながらケアしていけるようにしましょう。


○褥瘡が発症した場所と症状について
介護の中で、日々全身の観察を行うのは必須ですが、異常が起こっているかを観察するポイントの一つが、皮膚の創傷です。

●局所で起こった症状のアセスメント
まず、皮膚の異常を発見したときに、その創傷が褥瘡か否かを検討する必要があります。皮膚には、体を外的刺激などからまもるという役割があります。症状を見ながら、褥瘡にあたるものかどうかをきちんと観察しましょう。
特徴は、骨の突出部周囲で起こった症状かどうか・感染した皮膚の症状が見られるかどうかです。

●皮膚表面の症状よりも深い部分に注意を
褥瘡であれば、体の表面に現れた創傷の程度以上に、見えない部分や更に深い部分の組織が損傷している可能性が高まります。
体表だけをみて判断するのではなく、生活環境や皮膚症状が現れる原因を探り、褥瘡かどうかを判断することが大切です。

 
○褥瘡の症状を肉眼で判断する方法
深い部分の皮膚組織が損傷しているかどうかを、見てすぐに把握することは困難です。直感・肉眼的にその損傷程度を見極めるために、NPUAP分類というものがあります。この分類方法に当てはめて、患者の症状を見ながら褥瘡のレベル判断をして見ましょう。

●褥瘡のNPUAPの4ステージ分類
大まかに褥瘡のステージを4分類し、ケアの重要度をレベル化したものがNPUAP分類です。
ステージ1は皮膚の限局した発赤の症状、圧迫しても消えません。
ステージ2は、中間層(表皮と真皮を含む)の損傷です。水疱やびらん、クレーター状や擦過傷などの症状が現れます。赤みに加えて黄色または黒くなって壊死組織がある場合もあります。
ステージ3では、皮膚の全層が損傷・壊死の症状が現れます。皮膚組織までで筋膜の損傷はここでは見られません。
ステージ4は、褥瘡の最終的症状で、骨や筋肉、腱などの支持組織までいたる組織損傷で、感染リスクが高まります。
各ステージに応じて、ずれ力や摩擦の解消をしながら、その症状に応じた傷の処置を続けていくことが、褥瘡治癒につながります。
ステージにおける組織障害のイメージを持ちながら、ケア計画・対策を立てていくようにしましょう。
参考文献:『新床ずれケアナビ』 日本在宅褥瘡創傷ケア推進協会編集 2011年 中央法規出版㈱

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