敗血症のリスク管理 状態と危険度を見る

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感染症を引き起こした時に最も注意しなければならないのが、全身への転移です。感染症の元となる菌が局所で炎症を起こしているうちは、慎重に処置を行うことで改善する可能性はあります。
しかし、感染源が血流にのって全身に回ると、体の臓器や血管にダメージを加え、全身症状が現れます。この場合、内臓疾患や最悪の場合は死に至るケースもあるので、注意深く経過を観察する必要があります。


○敗血症を起こしやすい環境と条件
免疫力が下がっている人は、感染症を自浄作用でブロックする事ができず、感染源が体中でまん延しやすくなります。そのため、局所で起こした炎症(感染)が引き金となって全身に廻り、敗血症の諸症状を起こすことがあります。

 
●カテーテルを使用する患者のリスク管理
血管内カテーテルを留置している患者は、挿入箇所を常に清潔にしておくことが大切です。カテーテルは、頻繁に差し替えることが無く、一日に行う挿入部分の処置やケアの回数も限られます。
患部から細菌が侵入すると、すぐさま血流に乗って全身に廻ってしまうので、挿入箇所とあわせて、全身のヘルスチェックを行う様にしましょう。

 
●疾患の治療中で投薬をしている人のリスク管理
敗血症が起こる環境は、褥瘡のように患部の創傷を治療する人だけではありません。感染源の侵入に注意をしていても、疾患治療のために投薬をしている人は、その成分をきちんと把握しておかねばなりません。
例えば、がんの治療をしている人が抗がん薬治療や放射線治療をしている場合、体内血中の白血球数が減少するため、免疫力が著しく低下するということを想定しておきましょう。無菌室に入ってがん治療を行うのはそのためです。

 
○敗血症の症状は
体内に感染源が廻り、敗血症を発症した場合、どんな症状が現れるかを知っておきましょう。全身観察をしながら、兆候が見られたら一刻もはやく対処して感染源に効果がある抗菌薬を処方、投与することが最も重要です。

 
●悪寒・発熱に注意を 発症サインと管理
入院患者の場合は、ケアプランに沿って定期的に検温や状態観察をするようにスケジュールしていますが、在宅看護の場合は発症のサインを見逃さないように策を講じなければなりません。
寝たきりの患者は、体を動かす場面が少なく、安静状態が続くため、体の冷え(代謝不良)を起こしやすくなります。仮に、敗血症を起こした場合、寒さからくる震えなのか、または体温が上がることによる悪寒なのかが判断し辛いかもしれません。
敗血症は発熱と逆に、低体温や頻脈、呼吸が荒くなるなどの症状が現れる場合もあります。決まった時間に検温し、全身の状態と意識レベル、また呼吸の状態や機嫌など、「日常と違う点はないか」を常に意識してリスク管理することが大切です。

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