褥瘡の局所処置と全身観察 発熱兆候に注意を

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体の一部に皮膚炎症や腫れ、損傷が進む床ずれ(褥瘡)を発症すると、慢性的な痛みや浸出液漏出による不快感を伴います。
創面の傷を治療することはもちろんですが、その痛みや不快感をどれだけ楽にしてあげることができるか。
褥瘡は、身体的な創傷の治癒と合わせて、献身的なケア、経過観察を要する症状です。
なかでも、発熱、低体温、倦怠感、脈拍の変化など、局部にとどまらず全身の観察も必要になります。
褥瘡は、創傷部分の感染が全身にも影響を及ぼす可能性がある、恐ろしい病気だということも頭に入れておきましょう。


〇発熱兆候は褥瘡の炎症から
皮膚表皮や皮下組織が、外力によるずれや圧迫によって破壊される褥瘡は、切り傷や擦り傷のような急性の損傷と違い、慢性化しやすいという特徴があります。
とはいっても、圧迫やずれが生じる身体状態は、硬直やマヒ、安静を要する身体状態のケースがほとんどで、これらの原因となる環境を改善するのはとても難しいと言えます。
褥瘡の治療で最も重要なのは、清潔な環境を維持しながら原因となる圧迫をとりのぞき、症状をさらに悪化させないことです。

 
●褥瘡に熱感があったときの処置方法
創傷部分が赤くはれていたり、熱感をおびているときは、褥瘡の創傷が炎症を起こしていないか確認しましょう。
膿が溜まっていたり、残っている組織部分が褐色し、硬化している場合は、外科的な処置が必要になります。
まずは、炎症部分に溜まっている膿を出し、きれいに洗浄して抗菌薬や抗生物質を塗布(または服用)します。
軽度の熱感であれば、膿を取り除くことで解消されることもめずらしくありません。
症状によって使用する薬剤は異なりますので、投薬や外用薬の使用は医師の判断を仰ぎましょう。
自己判断で複数の薬を使用すると、体に耐用抗体が作られてしまい、抗生物質の効果が得られなくなってしまうことがあります。

 
●発熱した時の対処法
一部が腫れて熱っぽい、脈を打つように疼痛を訴えるといった場合と異なり、全身の発熱があった際は、一刻も早くかかりつけ医に相談(入院時は観察医や看護師に報告)しましょう。
必ずしも褥瘡が原因と断定することができないでしょうが、褥瘡の感染による発熱の場合、感染巣が血液に侵入して全身にめぐり、臓器の慢性疾患を引き起こすことも考えられます。
褥瘡患部の熱感は、感染や炎症が起こっている可能性が高く、放置すれば治癒までの時間を長引かせてしまいます。
湿潤環境と清潔を心がけ、必要な薬を使用しながら感染を取り除き、発熱や熱感を抑える処置を行いましょう。
参考文献:褥瘡治療ケアの「こんなときどうする?」
参考サイト:OKWeb 専門家のQ&A

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