介護と褥瘡は長期的なケアプランと目標の立案を

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先日、都道府県の多くで介護保険料と医療保険(後期高齢者医療保険)料が増額される見込みであるという報道がありました。
高齢者人口が増え、高齢者自身と、いずれは必要になるであろう40歳以上の労働者が納付する介護保険料や広域連合保険料。
その負担はこれから先も年々増額されていく可能性が高まっています。
各市区町村の管轄だったこれらの保険は、これから都道府県に管理運営主体が移ります。
県によって保険料が異なる点、やはり労働者人工が多ければその分、負担が増すことになります。


〇介護や療養は在宅で行う流れの強まり
高齢者人口が増え、介護施設やサービスが充実してきていますが、これから「治療施術は病院、経過観察と療養は在宅」という流れは、更に色濃くなるでしょう。
在宅介護の時間が長くなると、「どこで、だれが」ケアするのかという問題が付きまといます。
介護力が十分であれば、在宅でもキチンとケアすることができるでしょう。
しかし、家族や身内のなかで十分な介護を行う時間が作れる人がいない場合、定期的または周期的に介護サービスを利用することになるでしょう。
在宅と施設利用の、両方をバランスよく取り入れることで、介護を受ける人にとって生活にメリハリがつき、いろんな人と関わりながら、必要な観察や処置を受けるきっかけにもなります。

 
〇長期在宅介護で注意したい褥瘡
在宅で褥瘡が発生する多くは、寝たきりの状態の人です。
もちろん、患者自身はその状態を好ましく思っていないでしょう。
自分で動けない、寝返りが打てない人は、その時々で誰かの手を必要としています。
また、近年は「老老介護」が問題視されていますが、日々の観察や長期療養を支える介護力が、同様に高齢者だったというケースも増えています。
寝たきりの人に、十分な褥瘡予防を施すためには体力と継続力が必要です。
気が付いたら褥瘡が起きていたというのは珍しくありません。

 
〇褥瘡予防と介護プランには長期的目標が必要
寝たきりの人を介助していると、先の見えない不安を感じることもあるでしょう。
これからどのように介護してどんな状態を目指すか、といったような長期目標を持つことがとても大切です。
例えば、「寝たきりの人の観察を、支援サービス利用(入浴や通所リハビリなど)の際、合わせて支援員やヘルパーに依頼するという方法が望ましいでしょう。
また、入院治療をしている人が、在宅生活や在宅介護に移行するときは、疾患の治療に加えて褥瘡予防(観察)のプランをケアマネジャーが立案する必要があります。
病院・施設・在宅で共通した褥瘡予防の取り組みを立案します。
具体的なチェックポイントを共通で認識していれば、どこで介護をしても取りこぼしなく、見逃しにくくなるでしょう。
他の施設と連携して、また制度を上手く利用しながら、介護をする場による差がなるべく少ない介護と褥瘡予防に対して、常に注意を払わなければならないでしょう。

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