褥瘡(床ずれ)の創に使用する皮膚の保護材(ドレッシング材)

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高齢化に伴い医療、社会面における褥瘡(床ずれ)の負担が大きな問題となりつつあります。そうした中さまざまな医療機器も使用されるようになりました。創を清潔な状態で保護し、乾燥させないためにも皮膚の保護剤(ドレッシング材)も大きな役割を持っています。今回は、その皮膚の保護剤(ドレッシング材)についての記事になります。

■ドレッシング材による要因の変更

ドレッシング材の構成と構造は、圧力、ずれ、摩擦、湿潤の点で効果に影響を及ぼします。部位や要因に合わせてさまざまなドレッシング材の構造が必要になる可能性があります。

◎圧力
・衝撃を和らげる高さ(厚みや空気を含有するパッド)
・大きな荷重に耐える面積(圧力を分散させるため)
【例】
・複数層から構成されるなど、厚みのあるドレッシング材(フォームを含む)
・患部の周囲まで覆うほど十分な大きさ

◎ずれ
・ドレッシング層の皮膚にしっかりと付着する性質、厚み、横移動によりせん断力を吸収・分散する機能
【例】
・厚みのある素材の多層ドレッシング材(フォームなど)
・せん断力を吸収できる弾性接着剤
・患部からずれを分散させるため、影響のない皮膚まで含む患部を覆うほど十分な大きさ

◎摩擦
ずれの発生を抑えるため摩擦係数が低い外表面
【例】
・フィルム=外表面の摩擦係数が低いドレッシング材

◎湿潤
・皮膚から汗を除去できるほどの吸収性
・ドレッシング材の外側から水分を奪えるほど高い透湿度
・尿などの液体に対する不浸透性
【例】
・フォーム、ハイドロコロイド 防水性のある外層ドレッシング材は粘着力があり、局   所微環境を保護し外因性要因を排除する

このようなことから、ドレッシング材の使い方もさまざまですので、創の状態、大きさ、深さから医師と相談をしてその時々にあった治療を進めていきましょう。

■滲出液の性状・量に応じたドレッシング材の選択

滲出液はたんぱくに富む液体で、創部の状態により粘性も違ってきますが、ドレッシング材使用時は必ずどれぐらいの量を吸収するのかを確認してから使用するようにしましょう。滲出液は急性期に多くなり真皮までの傷でも1日でハイドロコロイド材の吸収する力が足りなくなることがあるのです。

真皮までの損傷であっても、まずはポリウレタンフォームなどを使用し、滲出液が少なくなったらハイドロコロイド材を用いると上皮化がスムーズにいきやすいです。

■まとめ

褥瘡の予防にはスキンケアが欠かせません。皮膚の状態を常に清潔にし、状態を観察しながら良い状態で安定にすることが重要です。ただし、身体機能が低下している患者さんの場合それだけでは血流の改善が追い付かない場合があります。その場合マッサージ機能も備えた除圧ケア専用機器利ラフィールをご利用ください。リラフィールに関するご質問ご相談はお気軽にお問い合わせください。

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