デブリードマンの医療保険算定は 

c185fd47ccd006eae5ca692d71f3942d_s

褥瘡は、初期症状と重度症状には非常に大きな幅があり、その段階の応じて適切な処置を必要とします。日々刻々と症状が変化し、常に洗浄と清潔な皮膚環境、身体の血流促進に気を配りながら地道に快方へ向かわせて行きます。全身的ケアと処置が必要で、非常に根気のいる創傷治療となります。
中でも、重度の褥瘡に至った場合は、細胞壊死や不良細胞の除去、洗浄など行う処置が増え、創傷面積も大きく深くなっていきます。その場合にとられる手段が、外科的処置のデブリードマンです。


○デブリードマンとは
皮膚細胞が壊死し、「死滅した組織や成長因子などの創傷治療促進因子の刺激に応答しなくなった老化した細胞、遺物、およびこれらにしばしば伴う細菌感染巣を除去して、創を清浄化する治療行為」(日本褥瘡学会用語集を引用)をデブリードマンと呼びます。
デブリードマンの種類には、ドレッシング剤や機械洗浄、タンパク分解酵素を使用するものや、メス・はさみを使用して切開や切除を行う外科的なものもあります。

 
●外科的処置の医療保険算定
壊死した細胞や、保存的治療の効果が表れないポケットがある、不良肉芽が多い、などの症状がみられる褥瘡の創部分は、外科的な切開やデブリードマンを実施し、優良な肉芽細胞を育てることが大切です。
診療のなかで、このような外科的処置を施した場合も含め、診療所受診から投薬までの流れの中で、社会保険の医療保険適用を受けられる項目については、診療報酬算定をします。保険適用の項目であれば、加入している社会(医療)保険の保険者に保険請求をすることができるため、患者の負担も少なくて済みます。

 
●褥瘡処置のデブリードマン 医療保険の算定は
医療行為の診療報酬算定は、非常に細かく設定をされています。デブリードマンは、褥瘡に限らず様々なケースで行われる外科的処置で、特に挫傷の際に傷口に付着した不純物を取り除く際には、デブリードマン加算が保険適用で認められます。
ただし、褥瘡でデブリードマンを実施するのは、不良肉芽や壊死細胞の除去を目的とするものです。前述したデブリードマン加算は、挫傷箇所の治療を目的とし、手術や縫合を行うケースに適用されるもので、褥瘡の場合は創傷処理の中にデブリードマン加算を含むものと解釈し、算定を行うのが適当とされています。
医療保険の適用を受ける処置や手術、初・再診、投薬まで、すべて適用となるものは医療保険請求のために診療報酬算定を行います。褥瘡処置のためのデブリードマンは、創傷処理に含まれると考えるのが妥当でしょう。

関連記事

ページ上部へ戻る