褥瘡発生率に変化 その取り組みと必要性

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褥瘡は、入院、在宅にかかわらず介護の場面では非常に注意深くならなければならない症状の一つと言えます。
かつては褥瘡(床ずれ)に対する理解や、発症リスクに対する認識も薄く、「褥瘡を引き起こす介護は手抜きをしている」と思われることもありました。しかし、今では褥瘡が起こる仕組みや、発症しにくい環境を作るためのめやすも明らかになり、継続的なケアと経過観察をすれば、発症を抑えることも可能になってきました。


○褥瘡の発生率とは
褥瘡がどのくらいの割合で発生しているかを知るための一つの指標となるのが、褥瘡発生率です。
これは、一定期間中の退院症例について「入院した際には褥瘡が認められず、退院時に褥瘡が起こった症例」の割合を算出して求めます。

 
●データで見る褥瘡発生率の推移
介護保険制度が導入された2000年当初は4%を超える施設や医療機関もあり、特定の病気を治療する目的で入院したはずの患者が、褥瘡の発生でさらに創傷処置を要するということも現在より多く見受けられたようです。
現在は、関係施設の統計で1~2%台に抑えられているという結果があります。これは、各施設が前向きに褥瘡を考え、向き合って発生率を下げる取り組みによる効果と言えるでしょう。

 
○褥瘡ケアが介護の質向上に
褥瘡が実際に看護や介護のシーンで発生する確率を秘めているか、これを厳密に数値化することは難しいでしょう。
診療施設や介護施設、在宅ケアワークなど、ねたきりの患者や利用者に対し継続的なサービスと医療提供をしている施設の種類も多く、そのすべてで一律の発生率を計測し、データ化することは非常に困難ですが、取組を推進している医療関係施設も多くあります。

 
●安心して介護を任せられる施設へ
定期的な経過観察や、身体状況の確認など、わずかなチェックとケアが褥瘡予防に大きく関係します。とにかく継続して変化を見逃さないというのが褥瘡予防の基本です。
医療や介護の現場は人手不足や重労働が問題になることもあるため、継続的な観察を施設を上げて取り組むには難しい問題もたくさんあるでしょう。しかし、このような取り組みをすることで、入院患者が治療に専念し、一日も早く臨床の場を離れることで、寝たきりの予防や生きがい支援、支援的在宅サポートにもつながります。
どの施設でも一定の指標を持っていたとしても、褥瘡の発生は個々それぞれの身体状態に大きく起因します。ただ、だからと言って取り組まないのではなく、病床ケアの一環として褥瘡を特に注意深く観察することで、治癒までの時間を短縮し、寝たきり患者を減らすきかっけにもなるでしょう。

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