寝たきりの要介護者と医療費 介護保険の利用について

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介護保険が導入されて17年目になりますが、高齢者人口が増加していることを受け、介護保険費用と利用者が、予算と人口に占める割合も年々高くなっています。
2016年現在でおよそ630万人が要介護(支援)認定を受けていますが、その利用内訳も様々です。
介護保険と医療保険は、申請して受けられる対象と行為が異なります。それぞれの保険の関係性も知っておきましょう。


○医療系サービスと介護サービスの違い
寝たきりの患者を抱える家族は、自治体の支援や医療施設などでサービスを併用しながら、病院・居宅介護を行うことになりますが、医療系の在宅介護サービスに限らず、ニーズに応じて提供されるサービスを全額自己負担で利用する家庭もあるでしょう。
介護の方法や種類は拡大しています。例えば、以前は医療資格者のみが行うことができた「介護福祉士による喀痰吸引」もあれば、リハビリを兼ねたレクリエーション支援にいたるまで様々です。

 
○居宅医療系サービスはすべて保険適用になる?
介護保険には支給上限額があります。そして、かかった利用費の1割または2割を自己負担することになります。多くのサービスを利用すれば、一定の額までは介護保険を利用することができますが、満額を認められるわけではありません。
また食事や個室差額代は介護保険対象にならず、全額自己負担となります。(病院入院中の病院食は医療保険の適用)

 
○寝たきりのレベルとおむつ代
体が不自由で、自立した生活が難しい高齢者は、おむつが必要になります。このおむつ代こそ、介護には必要不可欠だという家庭も多いでしょう。しかし、おむつは介護保険の適用外です。一部自治体では、独自におむつ代の補助を実施しているところもあるようなので、窓口で相談してみるといいでしょう。

 
○介護にかかる費用が増えたら医療費控除申請を
一年間にかかる医療費が高額になった場合、年間に要した医療費の合算金額を確定申告で取り戻すことができます。
これを医療費控除といいますが、介護サービスを利用して支出が発生したものの中にも、この医療費控除申請ができるものがあります。
ポイントは、医療系居宅サービスと、併用した利用サービスの一部という点です。全てのサービスが医療費控除の対象となるわけではありません。
また、確定申告の医療費控除申請は、世帯ごとで行うため、家族全員の医療費を合算して申請することができるので、要介護者のほかに入院や治療をした家族の医療費自己負担分も合わせて申請しましょう。

 
●寝たきりの介護オムツ代も医療費控除の対象になる
寝たきりというと、ベッドから起き上がれずに一日寝て過ごすイメージがありませんか。ただ、医療費控除の対象となるおむつ代は、寝たきりのレベルに応じて認否がなされます。「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」に沿って判定しますが、控除申請には、医師が発行する「おむつ使用証明書」を添付しますので、これまで申請したことがないなら、医師に相談してみましょう。

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