寝たきりの人に多い身体の諸症状 低血圧への注意

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病気を患って入院したり、インフルエンザなどの流行性ウイルスに感染したりして数日から一週間程度寝たきりで過ごしたとき、急に立ち上がる・起き上がるとふらふらした経験はありませんか。
長く横たわった姿勢から急に頭を高くすることによって血液の流れが変わり、一時的な貧血状態になることがその理由ですが、寝たきりの期間が長くなれば、更に貧血状態を起こしやすくなり、離床を難しくする原因のひとつとも言われています。


○寝たきりの高齢者に多い起立性低血圧
身体機能の低下によって寝たきりですごす時間が長くなりがちな高齢者に多いのが、起立性体血圧です。
寝た姿勢から起き上がったとき、血液循環がスムーズでないため、脳に充分な血流が行き届かずに立ちくらみやめまい、頭痛、動悸を引き起こします。

 
●高齢者の低血圧には注意が必要
慢性的に血圧が基準値より低い状態を低血圧と呼びますが、実際にはっきりと定義づけられているわけではありません。一般的に理想地とされる指標よりも血圧が低い人でも、日々健康的に過ごしている人は多くいます。
ただ、体位を変えた場合に起こる一時的な血圧の低下には注意が必要です。起床姿勢をとってから3分以内に、通常の血圧値から最高血圧20mmHg、最低血圧10mmHg以上血圧が下がる場合を起立性低血圧といいます。
高齢者は、若い人に比べて通常の血圧は高めになります。その血圧が急に降下すると、体への負担や異変の現れ方も顕著になります。

 
●起立性低血圧の寝たきり患者に対する配慮
前述した諸症状以外にも、低血圧多くの危険をもたらす可能性があります。そして、体の変調から二次的な怪我を起こしやすいという点にも注意すべきでしょう。
ふらつきがある人を更に離床させようとすると、頭が重く感じてそのまま倒れてしまい、頭を打ったり倒れこんだりすることも考えられます。
このような状態が続くと、介護をする人は起床させることをためらってしまうかもしれませんが、長期臥床はその人の生活の質改善をする機会を奪ってしまいます。無理のない範囲で、可能な限り介助をしながら寝たきりの状態を改善していく必要があります。

 
○高齢者の起立性低血圧に有効な「二度起こし」
寝たきりの高齢者が起立性低血圧による症状を起こしにくい方法に、二度起こしがあります。いきなり介助をするために起こすのではなく、まずは寝たきりの人に向けて「今から体を起こします」という声かけをして、ゆっくりと上半身を起こし、再度寝かせます。
そして、もう一度ゆっくりと起こしてベッドに腰掛け、足を床につけるという方法です。
体の状態を考えながら、危険の無いように充分配慮し、寝たきりの高齢者が少しでも起き上がって生活できるようなアシストを心がけましょう。

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