寝たきり患者の離床を目指す 生活環境の改善ポイント

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いつまでか、健康に毎日の生活を自立して送れていたはずが、ひょんなきっかけから介護の必要な生活が始まり、やがて寝たきりとなってしまう。
寝たきりの状態に陥る要介護者の中には、健全な身体機能が残っていたにもかかわらず、徐々にその機能すら後退させてしまったという人もいます。
全身の稼動機能を奪われる神経系の外傷または疾病によって、寝たきりの状態になってしまうケースも考えられますが、体の一部でも残存機能があるならば、その残った稼動域を今度はきっかけに、少しずつ離床できる準備を始めましょう。


○寝たきりから離床を目指すために
ずっとベッドの上で寝たままの生活を送っていると、まず一番に筋肉が衰えてきます。
筋肉を維持するには、十分な栄養を運ぶ血流と、動かすという刺激が必要です。横たわったままの姿勢でも生活ができる状態になってしまうと、普段の生活で使われはずの筋肉も動かすことがなくなります。動かせる箇所は積極的に動かすという意識と環境を整えてあげることが大切です。

 
○メンタルケアも必要 寝たきりを脱するためのフォロー
脚や腰、胸部などの怪我や手術をして、安静にしておかねばならない時間が長くあると、その箇所に「痛みを感じるのではないか
という恐怖心が起こります。年齢にかかわらずこの意識は離床を遅らせ、元の生活に戻るまでの時間を長くしてしまう要因です。
痛みに対する恐れを感じさせないために、医師の指導の下で鎮痛剤を使用するという方法もあります。しかし「どのように動かせば痛みを感じずに移動できるか・どんな体勢から立ち上がればスムーズに行くか。」というように、いろんな移動移乗方法を実践してみる前向きな気持ちをアシストしながら、安心して体を任せることができる介護の手とメンタルフォローが重要です。

 
○環境を整えて離床を目指す 住宅関連施策
介護が必要な人は、自分で移動や排泄、入浴をするための身体機能に、何らかの不具合があることで介助を必要としています。しかし、一時も離れずに人の手を駆り続けるというのも現実的ではありません。
そこで、「自分でできる」という意識を持つことができる住環境を整えることが大切です。いつも誰かを呼んで手を差し伸べてもらうのを待つのでなく、自分から自分のタイミングで進んで動くという気持ちにさせられる補助具を取り入れましょう。
寝たきりの人が離床するためには、身体機能を補助することと、体を動かすという意識を高めること、この二つが大きなポイントです。必要に応じて住まいの中に福祉用補助具を取り入れましょう。
寝たきりの人はまず、座位を取ることからスタートし、体を起き上がらせる感覚と、動くという衝動を引き出すことから始めてみましょう。

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