感染から重症化することも 溶連菌と敗血症の関係は

e86fd5f11e902c0b9efba06bd578a8e5_s

感染にまつわるリスクは、日常生活どんな場面にも潜んでいます。例えば冬に流行するインフルエンザ、乳児の多くが感染するといわれている手足口病やリンゴ病。これらは、飛沫や接触による感染が原因で発症します。
一部におこった感染症状が、その後に全身に影響を及ぼすことがあります。発熱や悪寒、血圧低下、意識障害など、共通の症状はいくつかありますが、特定の感染源を根絶するための抗生薬を用いなければ、症状が治まることはなく、さらに様々な感染症を誘発する危険も潜んでいます。


〇敗血症になる原因菌は
敗血症の定義は「感染菌が元となって全身症状が現れた状態」が元となっています。原則は感染菌から起因した症状の現れであることですが、その原因菌種類は実に様々です。

 
〇溶連菌の感染と抗体反応
乳幼児期に注意したい病気や感染症の一つに、溶連菌があります。溶連菌は俗称で、正しくは「溶血性連鎖球菌」というもので、自然界に存在する微生物の一種です。

 
●感染抗体を持つ前の子供は注意を
溶連菌の感染箇所も様々です。特に感染しやすいのは粘膜や外傷部分。風邪に似た症状が長引いていると思ったら溶連菌に感染していた、公園で子供が転んでけがをしたら熱が出た…このように、一部の感染から全身症状があらわれるのが溶連菌の特徴です。
発症したらその症状は目に見えて強く、抗生剤を大量に投与して感染力を弱ませねばなりません。
一度感染すると抗体が体内に備わりますが、違うタイプの溶連菌に感染することもあります。抗体が少ない子どもは特に注意して観察しましょう。

 
〇溶連菌による組織破壊と敗血症の進行
溶連菌の恐ろしさと敗血症の感染について、広く知られるきっかけになった「西武森慎二コーチの突然死」。多臓器不全がその原因といわれましたが、この病状を引き起こすきっかけとなったのは溶連菌だったとも伝えられています。

 
●急激に体をむしばむ溶連菌
一部溶連菌の中には、感染したら劇症化するものや、進行レベルが非常に速いものなど、さまざまなタイプのものがあります。
なかでも、人食いバクテリアとして恐れられているのが「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」です。
発熱(高熱)、局所腫脹を起こし、皮膚や筋肉、内臓に至るまで全身のあらゆる細胞が壊死していきます。
はじめは風邪に似たような症状(関節の傷みや発熱)から始まることが多いため、処置や診断が遅れてしまうことがあり、気が付いたときには手も付けられないほどに進行していたというケースもあるようです。
急性の感染発生や症状の変化は、その時々で判断と処置を行うのが非常に難しいものです。あらゆる可能性を想定して、可能な限り早い段階で原因を特定し、投薬などの処置を行うことが何より大切です。

関連記事

ページ上部へ戻る