褥瘡のレベル検査とデータ検証リスクアセスメントについて

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 褥瘡の予防を考えて、福祉装具や用具を導入するのは、在宅医療現場でもはや必須となっています。ただ、褥瘡はあらゆる人に共通した一般的な方法を当てはめ、利用者すべてに適用することでケアできるほど単純なものではありません。
 体格や疾病、自立支援がどの程度必要か、などの日常生活と疾患を個別に検査し、その検査データに基づいて必要な処置や補助具を使用することが重要です。

〇褥瘡レベル検査の判定法

 褥瘡が起こる危険レベルを計る際に活用したいのがOHスケールです。4つの基本項目を2~3段階で評価し、褥瘡が起こる危険度を数値化することができます。
 検査時点での状態を数値化することで、データとして蓄積し、改善点や改良されたポイントを可視化しやすいメリットがあります。この検査データをもとにして、さらに詳細なリスクや程度を検証することになります。

●OHスケール判定検査の内容

 4つの検査項目に対する判定点は、褥瘡が起こるリスクの高さを表します。「できる(または)なし」の判定は褥瘡リスクが低く点数は0、「できない(または)どちらでもない・あり」は褥瘡が起こる危険が高いほど点数も高くなります。
 自力体位変換能力検査は、どちらでもない(1.5点)、出来ない(3点)を加点します。同様に、病的骨突出(判定器)検査は、軽度・中等度(1.5点)、高度シーソー(3点)。浮腫検査は、あり(3点)。関節拘縮は、あり(1点)として、この合計点数により危険度レベルを計ります。

〇病的骨突出の検査方法

 褥瘡が起こる大きな原因となるのが、骨突出部のズレや圧迫です。栄養不良による痩せや、廃用性の委縮が起こると、相対的に仙骨が突出します。BPスケールと呼ばれる判定器を使用して、突出した高さを計り、そのデータによって軽・中・高度の判定を行う検査です。

●骨突出の検査値めやすは

 骨の突出レベルは、仙骨の中央部から8センチメートル離れたところで、でん部がどのくらい下がっているかを検査します。
 高さ差が0センチメートル以下または仙骨部が凹んでいれば、突出はありません。高さ差0~2センチメートル未満で「軽・中度」、2センチメートル以上で「高度」の判定をします。
 仙骨の突出高を聞くと大したことが無いようにも思われますが、本来は、脂肪や筋肉によって十分に厚みがあるでん部の仙骨はくぼみます。殿筋部が委縮すると、仙骨との高さがフラットになるポイントがあります。この状態になったときから、褥瘡が起こりやすくなるので、褥瘡予防ケアを計画的に実施しなければなりません。

 褥瘡は、健常な人でも起こりうる皮膚疾患です。栄養状態や疾患によって、同じ体位で過ごす時間が長くなればなるほど褥瘡発生リスクは高まります。現状を正しく把握するために、定期的にOHスケールや判定検査を行って、長期的にデータを管理しながらアセスメントしていくようにしましょう。

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