褥瘡ケアで使用する外用薬の種類

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褥瘡が起こってしまわないように予防する際、また褥瘡が進行しないようにケアする際には、外用薬を用いて処置を行います。褥瘡ケアで使用される外用薬にはどんなものがあるかをご紹介します。

○予防ケアで使用する薬

床ずれを起こさないように、皮膚の乾燥を防ぎながら刺激の侵入を予防するための撥水クリームを用います。

●医療用軟膏

一般に量販店やドラッグストアでも販売をしている白色ワセリンが代表的な保湿撥水クリームです。その他に、へパリン類似軟膏のヒルドイドソフト、尿素軟膏のウレパールやケラチナミン、ビタミン含有軟膏のザーネ等を使用します。

●市販の保湿クリーム

セキューラMLやキュレルなどは、アレルギーや皮膚の乾燥、刺激から起こる炎症を生じさせにくい外用薬として広く知られています。

●撥水クリーム

皮膚の水分蒸発を防ぎ、皮膚内にうるおいを閉じ込めておくために、リモイスバリアやセキューラPO(油性成分のワセリンを含んでいるもの)を良く使用します。

○褥瘡箇所の処置に用いる外用薬

褥瘡が起こって皮膚組織の壊死が進行している場合は、細菌感染を予防するための外用薬を用いて処置を行います。

●乾燥予防と殺菌のために使用

壊死がおこった部分をきれいに取り除き、洗浄して処置を行う時に用いる外用薬は、単に乾燥を防ぐだけではなく、感染予防しながら肉芽が育ちやすくなるものを選んで塗付していきます。褥瘡初期治療にはユーパスタが良く使われます。殺菌作用があるポピドンヨードが含まれており、成分のうち70%が侵出液を吸収する作用がある標準薬です。乾燥予防と浸出液吸収、感染ケアも可能なマルチ外用薬なので、レベルの低い初期段階の褥瘡で重宝します。そして昔から用いられているのは、ゲーベンクリームです。この外用薬は、1%ほどスルファジアジン銀が含まれているのが特徴です。殺菌効果が高いのですが、耐水性を活かしきれない場合、などです。どの外用薬ケアを行っても、効果が少ないと判断された場合に使われる薬がカデックスです。とても機能的で有効性が高い外用薬で、侵出液を吸収しながら、殺菌作用もあるという優れた薬です。

●外用薬前のケア

褥瘡が進み壊死細胞がでている箇所のケアを、いきなり薬に頼っても効果が低いか反対に悪化させる原因になります。壊死細胞が皮膚に残ったままだと、更に壊死細胞を増加させて、感染症を発症する可能性が高くなります。すり合わせしながら壊死細胞を綺麗に取りだして、ブロメラインと呼ばれる軟膏を塗布します。他にもリフラップやデブリサンという薬名があります。

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