- 2017-10-23
- 褥瘡(床ずれ)
看護や介護を続けていると、お世話をする人の機嫌の良し悪しで、その日の体調や気分が良いか悪いかがなんとなく判断できる様になってきます。
身内が介護に携わっているなら、介護を受ける人も気を許せる相手に対して素直に応えるでしょう。しかし、介助にサービスを用いた場合は、なかなか正直に自分の様子を伝えられない人もいます。
看護の視点から褥瘡のリスクを評価するためのプレーデンスケールを用いて、客観的なリスク管理と観察を行ってみましょう。
○褥瘡がおこりやすいポイントをつかむ
プレーデンスケールは、看護の視点から6項目で発生リスクを評価します。
それぞれの項目に対して3~4段階にレベルわけして、点数化することで合計点数からリスクを評価する方法です。
ある程度自立した生活をおくることができる人は、褥瘡の発生リスクが低いといえます。評価を必要とするのは主に、寝たきり介護を要する人です。
●褥瘡リスク評価の6項目は
知覚の認識・湿潤環境・活動性・可動性・栄養状態・摩擦の6項目をそれぞれ重度1点~最も良い4点で評価していきます。
この合計点数が低いほど、褥瘡がおこる危険性が高いことをあらわします。
●評価点数の重みづけと褥瘡リスク
6つの項目に沿って、どのレベルにあるかを評価しますが、それぞれの項目が全て定性で評価されるものでないところに、プレーデンスケールの弱点があります。
また、決まった項目に沿って判断をしたとしても、観察評価をする人によって、点数が変わる可能性もあります。
継続して見守っていくことが大切ですが、評価をする人によってばらつきがないように、共通認識をもって点数をつけていくことが重要です。
○体の状態と栄養 褥瘡発生リスクの着目点
寝たままの姿勢で過ごす人は、褥瘡を起こしやすいかどうかが、からだの状態と置かれた環境によって大きく左右されます。
リハビリを受けていても、マヒや筋力低下によって体を自力で動かすことができない人もいます。介護の状態や頻度によっては、十分に患部を処置することができず、褥瘡の湿潤環境を整えられていないケースもあるでしょう。
寝たきりの状態だけではなく、皮膚の健康を保ちながら免疫力をつけるには、食事にも気を配らなければなりません。
褥瘡は、生活と可動、なかでも介護の環境と栄養状態を、それぞれの条件に沿って良い方向にむけていく環境づくりとケアの目が必要です。
介護を必要とする人の身体状態は、短期に改善させることが難しいため、長期継続的なケアと観察を行い、褥瘡の発生リスクを低く保つように心がけましょう。