床ずれが起こる危険性 風邪療養中にも注意が必要

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長く患っている人の療養中や、在宅看護を受けながら経過観察を行っている治療中または介護を受けている人。入院患者や身体が不自由な人ほど、全身を使って体を動かす機会が減ります。
長く同じ姿勢で過ごすと、体圧がかかる背中や腰部分に床ずれを起こしやすくなります。
本来の治療に加えて、リハビリやマッサージを積極的に取り入れて、全身機能を維持するための取り組みを計画することも必要です。がしかし、普段は健康に過ごしている人にも、床ずれを起こす危険があることを知っておきましょう。


〇一時的な体調不良でも床ずれを起こすかも
毎日を健康に過ごしている人が床ずれを発症する可能性のあるシーンといえば、風邪やインフルエンザなど、一時的に寝込んでしまい、仰臥位が長くなるようなケースです。
普段は全身を使って体を動かすのが当たり前の生活を繰り返し、ほんの数日間寝込んだ程度で床ずれを起こすかもしれないと考える人は少ないかもしれません。

 
●体を動かせない…つらい風邪のときこそ注意を
自分が風邪をひいて寝込んでしまうような状況のとき、ごはんや体の洗浄、体温や栄養の管理をしてくれるような同居人はいますか。家族と一緒に暮らしている人は、食事やお風呂などの心配はさほど深刻ではないでしょう。
しかし、一人暮らしをしている人は、風邪で寝込んでいるときこそ併発する可能性がある病気に注意しましょう。

 
●床ずれが風邪の症状から起こり得る理由
風邪をひくと、症状を改善するために病原体を攻撃する白血球の動きが活発になります。また、体温を上昇させて熱で病原体を死滅させるといった自浄機能が働きます。
体温が上昇すると、病原体を攻撃する効果はありますが、同時に自分の体力と通常以上に消耗します。血流と熱によって筋肉が刺激されて、筋肉痛のような痛みを伴うこともあるでしょう。
半面、治癒に向かいはじめると一気に体温が降下して体の冷えが起こり始めます。発熱によって皮膚の乾燥が進んだ状態になった上、血流は急激に減少し、十分な栄養を届けられず圧迫が続く箇所の血流が停滞しやすくなります。
すると、皮膚の損傷がおこりやすくなって床ずれしやすくなります。

 
●床ずれ予防のポイントは栄養摂取・洗浄・体温維持
風邪をひくと、食欲が減退して十分な栄養を取ることができなくなります。栄養状態は血の状態の良し悪しに直結します。治療と床ずれ予防のために、栄養を効率よく摂取できる食事やサプリメントなどを上手く利用しましょう。
風邪症状を引き起こす原因菌が活発な間は、特に乾燥に注意しましょう。床ずれを予防するためには、表皮の乾燥防止を考慮しなければなりません。皮膚表面の潤い保持と清潔を保つための入浴はおすすめです。しかし、入浴は体温を上げる効果がありますが、その後熱を奪いやすくもあります。
体をお風呂で十分温めて、風呂から上がったらすぐに布団に入って熱を逃がさないようにします。鼻やのどなど粘膜を潤す環境を整えるのが一番効果的です。

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