- 2018-1-27
- 褥瘡(床ずれ)
正座をして足がしびれた、うたた寝をしていて頭を腕で支えていたらチリチリとした感覚になってしまった…ということがありませんか。また、近年主婦を悩ませているという、乾燥した冬場に多い「手湿疹」も、ピリピリとした痛みの後に、激しいかゆみを感じる症状が現れます。
皮膚や局所に現れる痛み、かゆみの多くは、その周辺に起こっている圧迫、感染、炎症と合わせて血流が大きく関係しています。
床ずれの初期症状にも、同じような「しびれ」や「かゆみ」を伴うことがあります。
〇床ずれの自覚症状は
床ずれは、一度発生すると治癒までの時間が長くかかり、また発症から処置や対処の取り掛かりまでのスピードが予後に大きく関わります。
床ずれが起ったら、とにかくその環境を変え、皮下組織を壊してしまう前の上皮で食い止めるようにしましょう。深刻な褥瘡レベルに移行する前に、皮膚表面の異常や異変を見逃さないようにすることが大切です。
●床ずれの初期症状に現れる赤み
圧迫によって一部分がうっ血した状態になると、皮膚は赤みを帯びます。単に指で体をおさえたときも、同様に赤くなることがありますが、床ずれを起こした場所の赤みは「圧迫を取り除いても色が戻らない(戻りにくい)」という特徴があります。
痛みがないこともありますが、しびれやヒリヒリとした痛みとかゆみを感じる場合、除圧と開放を行ってその後の様子に変化がないかを確認しましょう。徐々に赤みが引けば、大きな問題はないでしょう。
●床ずれ部分の水疱とかゆみ
圧迫が続いた場所に赤みが出て、斑点のようなものが現れたり、小さな水疱が出てくることがあります。この水疱は、皮下組織を損壊した部分の修復を行うために、浸出液が皮下で集まることによって現れます。
水疱が現れた場所は、刺すようなかゆみを伴うことが多く、手の届く範囲にできた場合、掻けば掻くほどかゆみが強くなるように感じることもあります。掻く手を止められずに、皮膚をかき壊してしまい、水疱をつぶしてしまうとその部分から汚れや細菌が侵入して化膿しやすくなります。
かゆみの後には、ヒリヒリとした痛みを伴います。一時すると落ち着きますが、刺激によって再び水疱が現れるとかゆみがぶり返し、悪循環を招きます。
対処法としては、かゆみを鎮め、皮膚の刺激を和らげるための外用薬を塗布して、様子を見るのが良いでしょう。しかし、床ずれの程度やかゆみ・炎症を止める効果がある薬は種類が多いので、素人判断でいろいろ試してもどの薬で得られた効果なのかを判定するのが難しいです。
外用薬は、皮膚科やかかりつけ医の先生に処方してもらう様にしましょう。