- 2016-8-22
- 腰痛(肩こり・筋肉痛), 褥瘡(床ずれ)
寝たきりの姿勢で過ごす時間が長い患者は、こまめに体位変換をおこない、床ずれを予防することが何より大切です。
一度床ずれを起こしてしまうと、その傷をかばって他の部位にそれまで以上の圧迫を強いる原因となります。結果として褥瘡箇所が増え、寝たきり姿勢そのものが辛くなってしまう事になりかねません。
○もし褥瘡が発生してしまったら
褥瘡の初期症状として気を付けておきたいのは「赤み」です。少し赤くなっているけど大丈夫・・・とその症状を見逃し、放置してしまうと次第にひどくなり潰瘍にまで進行してしまうかもしれません。
●とにかく早めのケアを施す
赤みの有る箇所が見つかったら、まずは皮膚のマッサージを行いましょう。なめらかな皮膚の状態を保ち柔らかさを取り戻すために、クリームを使用するのがよいでしょう。
そして、赤みが有る部分に圧力がかからないように注意しておくことも忘れずに。(除圧)
●赤みから色の変化が生じたら
圧迫でうっ血した状態の赤みから、床ずれが進行すると次第に皮膚が白くなってきます。更に進行すると壊死してしまい黒く変化します。皮膚細胞が壊死してしまうと、だんだんとえぐれてきてしまい、脂肪層や皮下脂肪が露呈してきます。
更に進行すると、骨が露出します。この状態になると事態は深刻です。感染症の恐れも出てくるため、褥瘡範囲が広がりやすくなります。
○壊死後の褥瘡を再発させない
一度皮膚が壊死してしまうと、他の細胞や皮膚をどんどん浸食してしまいますので、壊死組織を取り除き、感染予防のために頻繁に洗浄を行う治療を施します。
数センチ程度の褥瘡なら、きちんと保存的治療を行う事で閉鎖させることも出来ます。
しかし重要なのは、その後の寝たきり姿勢を更に注視し、症状に合わせて体位変換やクッションを用いて負担を一か所に集中させないケアワークを続けるということです。
特に体に麻痺症状が有る時は、患者に自覚が無く、気がついた時には進行していたというケースが非常に多いです。
●繰り返して褥瘡が起きるなら
保存治療は、創傷部分がふさがるまでに時間がかかります。また、一度壊死した後に患部をふさぐ瘢ろう組織なので、それまでの健常な皮膚よりも薄くて刺激に弱くなります。
何度も同じ褥瘡を繰り返してしまうなら、形成外科治療が必要になります。皮膚そのものの形成ではなく、筋肉弁をつける(皮下脂肪と筋肉をいっしょに移動する)治療を行います。筋肉を付けて血行を良くし、皮下脂肪でクッション性を高めます。
○まとめ
一度褥瘡が起こると、同じ箇所に何度も再発しやすくなります。これは皮膚が壊死してしまい筋肉や脂肪が何度も露出してしまうため、後から覆う皮膚は正常なものより耐久性が弱いためです。
繰り返して褥瘡が起こってしまう場合は、形成外科的な治療も必要になります。患部をかばって他の場所に床ずれを増やさないための観察も大切です。