- 2019-1-26
- 褥瘡(床ずれ)
床ずれは、身体の部位を長時間圧迫することで発生します。人間の身体は表皮から始まり、真皮、脂肪筋肉、最後は骨になります。今回は各ステージで床ずれの重症度を考察していきましょう。
■床ずれ各ステージ重症度
◎表皮
床ずれは、初期症状では発赤(赤み)がでてきます。初期状態の床ずれは、しっかり身体位変換をすることで完治するスピードが早くなります。日頃のケアをしっかり行えば、元の皮膚の状態(完治)に戻るでしょう。
◎真皮
真皮までは、傷はまだ浅いといえるのですが「水疱」や「びらん」などが発生する可能性が高くあります。
水疱が破れると「ただれ」たり「摩擦」や「ズレ」などで、さらに悪化する可能性もあるため、しっかりとしたケアを行わなければいけません。
水疱が破れてない状態であれば、圧迫をなるべく避け、上から薄くガーゼを被せるのが効果的です。水疱がやぶけたり、ただれた場合であればガーゼではなく、ドレッシング材を使用するのが効果的です。
ドレッシング材は、創部の保護や湿潤環境の維持、治癒促進、疼痛緩和などの使用方法があります。自身の傷の状態から適切なものを使用すれば効果的でしょう。
◎脂肪
床ずれが、脂肪まで到達すると重症となります。肉眼では、表皮や真皮の傷だけしか見えませんが、脂肪に到達した時点でポケット(穴)が開いている可能性があります。
そうなると、ポケットに膿がたまり熱もでる可能性があります。さらに悪化すると、外科的デブリードマン(切開)で処置を行う必要性がでてきます。デブリードマンは、下記のように主に3つあります。
◎外科的デブリードマン
メスやハサミなどで、壊死組織を切除。
◎科学的デブリードマン
外用剤を用いて、壊死組織を溶解。
◎保存的デブリードマン
特殊な素材に壊死組織を吸収させる。この術法で処置を行うと長期の入院もありえますので、重症度はかなり高めです。
■筋肉
ここまでくると、個人では手に負えません。危険な重症度です。担当医師と相談し、処置を行います。
個人でケアを行うのであれば、圧迫部分の除去と、身体位変換や栄養面、清潔保持になります。とにかく、自身での判断は危険です。即入院で、安静に処置を行わないといけません。
■骨
骨まで達している場合、重症度は完全に危険です。MRI、レントゲン、採血などの検査で骨に到達している時点で感染の疑いもあります。
骨に感染症があれば、壊死組織をデブリーマンしていても、菌をころさないかぎり皮膚移植はできません。完全に取り除くまで、抗生物質を投与することになります。
■まとめ
発赤を見つけた時点で、どうケアを行うかが重要です。酷くならないためにも、日頃からのプッシュアップや、発赤の部位を圧迫しないように安静にすることが、床ずれ治癒の第一歩になります。
床ずれケアには効率的な予防・改善を期待できる、Relafeelの併用も検討することをお勧めします。