床ずれの処置方法 創の内部や周辺はどのように洗浄するか

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床ずれが発症すると、常に清潔で一定の湿度を保ちながら乾燥を防ぐ看護ケアと観察から、創傷部分の治療を開始します。しかし、見た目は大きな傷や皮膚損傷もなく大事を想定しにくい傷の大きさでも、褥瘡は深部にまで症状が進行して、重度化している場合も少なくありません。注意深く観察をするためにも、毎日の処置時間や体位変換の時間のような、定期的な看護のタイミングに合わせて諸症状の進行度をきちんと把握して、看護処置につなげる必要があります。

○充分に洗浄を行うこと

まずは基本的な床ずれ部分の処置として「洗浄」があります。床ずれの洗浄は、充分な生理食塩水またはひと肌程度の温度にした水道水を用いて行います。この洗浄を行う目的は、やはり一番に創表面についた細菌をきれいに洗い流して、数を減らすという所にあります。床ずれ部分の皮膚は少しの変化にも刺激を感じます。皮膚層が薄くなり、ただれた状態は、処置を行う時に痛みを訴える患者もいるでしょう。この痛みを感じているかいないかという点も、褥瘡の観察には大きなポイントとなります。

  • 床ずれのなかを洗浄

褥瘡は、表面を充分に洗浄すればよいかといえば、そうではありません。とこずれは一般的に傷が見える部分の下に膿がたまり、細胞の壊死が進むことが往々にあります。これを見逃すと、表面的には大きな変化が無くても創内部で着々と細胞の壊死が進んでしまい、正常な肉芽細胞が育ちません。また膿をきれいに洗浄しておかねば周辺組織の治療進行が遅れてしまいます。治療が長引けば、細菌の感染リスクも高まり、進退を繰り返すばかりで完治に至らないケースもあります。

  • 創内のPhは高い

健常健康な皮膚の状態とはちがい、創の内部phは高く保たれます。また肉芽造成に関わる線維芽細胞も、phが高い状態で活発になります。一部では、素肌に近い弱酸性の洗浄剤を用いて洗浄を行うようにというガイダンスもあります。もちろん周辺皮膚の刺激を回避するためには、素肌に近い状態を保つことができる洗浄剤のほうが、やさしい洗い心地になるのかも知れません。

○創周辺の洗浄

皮膚の表面は汗や皮脂で汚れます。これらは酸性物質です。一時的に石鹸を使用したことで肌のph濃度が高くなったとしても、これが戻るのが通常の作用です。しかし、高齢者の皮膚は皮脂が少なく乾燥気味であるため、元々がアルカリ性に近い状態となります。よって、高齢者のバリア機能が乏しい皮膚には、弱酸性の石鹸が有効に働きます。

  • 圧力にも注意

創傷部分はやさしく洗いたい、と思いますが、一定の洗浄圧が無ければ細菌やかさぶたなど、とりそこなっているかけらが残ることになります。適正な洗浄圧力は4~15psiと言われています。弱過ぎでは汚れが取れず、強すぎだと創部分を大きく傷つけることにもなりかねませんので注意しましょう。

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