床ずれの症状を見極めるポイントとは

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床ずれと一言でいっても、その症状や深刻度はさまざまです。創傷部分を見ただけでは、正しい症状を見極めるのは難しく、適切な処置ができないまま放置すればどんどん傷が深くなってしまいます。
できるだけ早く完治させる、これが床ずれ治療の課題です。日々変わる床ずれの症状を、その時々で正しく見極めるように意識しておくことが大切です。


〇今の床ずれレベルを正しく計る
床ずれの症状レベルを見るには「きれいな創か汚い創か」が最も基本的な項目となります。初期の床ずれは、皮膚のびらんや損傷が少ないですが、その炎症の下で刻々と床ずれは進行していきます。
傷の周りが黒化して長く患っている床ずれは、創傷部の状態とその周囲に気を配る必要があります。一見して赤みがある鮮やかな色をしているか、黄色や茶、黒化した組織があるかをまず観察しましょう。
床ずれをぱっと見たときの印象は、その傷レベルを計るうえで結構大切なポイントになります。

 
●化膿した床ずれにある特徴と症状
一見して汚い創の場合、傷が化膿しているケースとみていいでしょう。化膿した傷口は悪臭がすることもあります。また、傷を治そうとする自浄機能が働き、修復するために滲出液が多くなります。
膿が多い、滲出液が膿性(さらっとしておらず粘性)の場合、炎症や感染を疑いましょう。

 
〇床ずれの症状を時点で比べる
その時々の床ずれを見て評価をし、治療を続けていると、経過が良好なのか悪化しているのかが分かり辛くなります。
治療途中の経過を見て、「いつと比べて程度がよくなったか悪くなったか」を評価することが大切です。

 
●評価を客観的に比較して症状改善をめざす
床ずれの治療を行う上で、確認しなければならないのはその傷の「深さ・滲出液・炎症/感染・肉芽・傷の大きさ・壊死」症状です。
改善しているかどうかをこれらの項目に当てはめて、前回の観察日からどの項目に変化があったか、良くなっているかどうかを記録しましょう。

 
●床ずれを定期的に観察し変更点を記録
治療を行っている途中で、塗布する外用薬や抗菌薬の処方が変わったときは、いつから変更してその効果が表れているかを定期的に記録していきます。抗生物質など内服薬の処方と合わせて観察記録を続けましょう。
入院患者の場合は、介護記録や経過観察を電子カルテ観察録として残すのが常ですが、在宅介護(看護)患者は、この記録を忘れずに残しておきましょう。
万が一、全身症状が現れたり、症状が改善せずに病院を受診することになった場合、診療(治療)記録があれば、適切に診断するための材料としておおいに役立ちます。処置・治療を正しく効果的に行うために、観察記録は重要です。
床ずれの症状は時系列で観察し、常に良い効果が表れ続けるように処置していくことで完治につながります。時間が掛かってもじっくり向き合っていきましょう。

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