食べ物で期待できる褥瘡(床ずれ)の予防

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褥瘡の予防には体位の変換、体圧の分散、スキンケアがありますが、それとともに重要になってくるのが、栄養管理です。そのなかでも予防としてできることは低栄養の回避です。今回は、褥瘡予防と食事について紹介していきましょう。

※以下に表示した摂取目安量は持病により異なりますので、あくまでも目安としてください。

■エネルギー

日々の食事内容が偏っていたり、食欲の低下などが原因で起こる低栄養状態ですが、身体を動かす為にも、エネルギーが必要になります。しかし、太りすぎも身体に負担がかかることから、取りすぎにも十分注意が必要です。

◎摂取目安:体重1キロあたり 1日25~30kcal 穀物類・いも類

■タンパク質

タンパク質は褥瘡で欠損した皮膚の再生に必要です。また、タンパク質が減少すると、筋肉量が減ります。それとともに皮膚組織の耐久性も低下してしまいます。また、タンパク質には水分を蓄える力があるため、それも減少してしまうので褥瘡発生のリスクが高まるのです。

◎摂取目安:体重1キロあたり 1日1.5~2g 肉類・魚類・卵・乳製品

■亜鉛

亜鉛は食品を加工する過程で失われやすいので、インスタント食品や加工商品など偏った食事では不足しがちになります。亜鉛はタンパク質の合成に関わってきます。亜鉛が不足すると褥瘡が発生するだけでなく、味覚の障害などもあらわれることから、食欲不振、食事拒否にもつながってくるのです。

◎摂取目安:1日15㎎ 牛肉のレバー・牡蠣・かに

■鉄

鉄は、血液中のヘモグロビンの構成成分です。不足すると、酸素が身体の各組織に十分に行き渡らなくなります。ヘモグロビンや赤血球が少なくなると、皮膚の軟部組織への酸素供給量が減ってしまいます。そのため、組織がもろく傷つきやすくなります。

◎摂取目安量:1日15㎎ 豚のレバー・ひじき・小松菜・がんもどき

■銅

人間の皮膚は3つの層から成りたっていて、肌表面に近い層から、表皮・真皮・皮下組織となりますが、コラーゲンは真皮の主成分です。真皮は肌の弾力を保ち、表皮を支える土台となっているだけではなく、毛細血管により栄養と酸素を肌のすみずみまで届ける働きをしています。銅はコラーゲンの強度を強めるために必要な酵素の作用を助ける因子となります。

◎摂取目安量:1日0.8㎎ 牛のレバー・さつまいも・ココア・牡蠣

■ビタミン

身体の調子を整え、皮膚や粘膜の保護に重要な役割をするビタミンは、体内では合成できません。ビタミンAは、銅と同じようにコラーゲンの合成や再構築、上皮形成には欠かせません。またビタミンCは肉芽のコラーゲンの合成に必要です。積極的にとるようにしましょう。

◎摂取目安量:1日600 μg 豚のレバー・緑葉色野菜・フルーツ・うなぎ

■まとめ

以上のように褥瘡の予防・治癒にはたくさんの栄養素が必要となります。そのためには栄養バランスの取れた食事を摂取することが基本となります。しかし、体調不良などで通常の食事量が少なくなってしまった場合は、サプリメントを利用することも重要です。

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