- 2016-9-9
- 褥瘡(床ずれ)
褥瘡は、そのレベルと重症度に応じたケアが必要です。入院患者や、ヘルパーさんが自宅に訪れて在宅ケアを行う時は、さまざまな危険要因レベルに沿って看護計画をたてて、経過の観察を行います。レベルが上がらないようにケアしていくことが大切ですが、ずっと寝たきりの状態が続くと、一度発生した褥瘡を完治させるのは綿密な処置と様々な危険要因にもとづく計画が大切です。
○グレード別ohスケール
危険要因レベル毎に看護計画を建てる必要がありますが、危険要因の分類は「偶発的褥瘡」と「起因性褥瘡」に分類します。偶発的なものならば、危険要因はありません。突発的に起こった事故や手術、意識消失は、継続的に観察する必要はなく、発症確率も非常に低くなります。通常の一般的な看護対策で事足ります。しかし、救急措置や手術中、重症疾患の場合は寝たきりの姿勢が長くなるため、各所で強制的に危険要因を起こしてしまいかねません。一定の褥瘡対策は必要です。起因性褥瘡の場合は、危険要因ありです。25%程度の軽度ならば一般的な看護に、体位変換や頭側ベッドアップダウンで対処します。中等・高度レベルになると、寝たきりの姿勢を取る対象者の全てにおいて、細心の褥瘡看護が必要になります。また、マットレスも高機能タイプを選び、各要因のケアと同時に、その場で判断して適切な処置を迫られる場面も出てきます。治療が長引くため、ケアを行いながら重症化を止めるという看護になりやすいのが傾向です。そのため、完治や予後が悪く、繰り返し発症する可能性も非常に高くなります。
○危険要因と看護計画 ohスケールスコア
褥瘡がおこりやすいか、また起こりにくいかを危険発生要因ごとに分類して、対象となる人それぞれに応じたケアと看護計画を立案するための「ものさし」となる基準をohスケールといいます。
●危険要因の評価項目
まず個体危険要因を認識する為には、どの程度のケアをどのくらいの頻度で行うべきかをしっかりと定めなければなりません。Ohスケールは、「自力体位変換」「病的骨突出(仙骨部)」「浮腫(むくみ)」「関節拘縮」の4つに分類した危険要因を「できる・できない」「軽中度・重度」「あり・なし」で分け、それぞれに点数を付けてスコア化します。また、寝たきりの状態か、若しくは車いすかによっても同様にスコアを付けます。このスコアに応じたマットレスの選択・体位変換・頭側アップダウン時の圧・ずれ力に対して適切なケアの方法を示して、看護計画をたてていきます。