- 2017-7-19
- 褥瘡(床ずれ)
ベッドの上に限らず、同じ姿勢をとり続けなければならない人にとって、その姿勢が悪ければ局所の圧迫につながり、褥瘡を引き起こす原因となります。
大切なのは正しいポジショニングを取り、定期的にかかる圧力を分散してあげることです。
○リラックスできる姿勢は褥瘡を防ぐ
少しでも姿勢に違和感があると、自分で快適なポジションを探したり、日ごろの癖や楽な体位を取ろうとしたりして少しずつ動こうとします。
このときにずれ力が働き、更に圧迫と重なって褥瘡をおこしやすくします。自然に身を預けられるような、リラックスした姿勢をとれるようにクッションなどを使って体勢を整えてあげましょう。
○緊張をとるポジションで楽な姿勢を
不良なポジショニングを続けていても、圧は分散しません。局所の圧力は残ったまま床ずれができる危険が高まります。また、局所の圧力に違和感があると、その圧力を別の方法で逃がそうとして、別の部分に過緊張を起こします。仮に、腰や骨盤の周辺に長時間緊張がある場合、排泄や関節拘縮など二次的な障害を起こす原因にもなります。
体の緊張をとるためには、クッションを用いて広い面で体の一部を支えることが基本です。
○褥瘡ケアとクッションの選び方
体圧を分散させるために、広い面で体を支える目的に使用するクッションは、体にフィットしやすく、体型に合わせて形が変わりやすいものを選ぶようにしましょう。
ただ、やわらかいクッションは、体が沈みこんでしまって別の箇所に圧がかかる・クッションを当てる効果が薄くなる場合もあるので、体位変換と分圧を考慮して、固めのウレタン材クッションを土台にし、体が触れる部分を柔らかいクッションにすると良いでしょう。
○体の沈み具合を見てクッションを導入する
最適なポジショニングは、体格や体重、拘縮の有無など、人それぞれで違います。経験や工学的な知識に頼らず、まずは、クッションを敷いて体重が落ちる方向を確認しましょう。
圧がかかっているかどうかは、関節などに一度手を入れてみて、その部分を持ち上げてみると確認することができます。体重が落ちる(圧がかかる)部分にクッションを敷きこんで、受ける面積を広く取れば、リラックスした姿勢をとりやすくなります。
○褥瘡の好発部位にはクッションを
膝やかかと、ひじといった骨の突出部分には、体圧が特にかかりやすくなります。また、ずれ力の影響をとても受けやすい部位です。体圧分散マットレスを導入していても、クッションを用いて、できるだけ大きな面積で支えられるように敷きこみましょう。