- 2017-8-31
- 血行促進
数時間前までなんともなかったのに、突如自分ではどうにもならないほどに体調が悪くなり、救急車で運ばれる…。発症した本人は何が起こったのかわからず、支える家族もいったい何が原因なのかわからずに不安になるでしょう。
自覚していなかった病気や、治療中の疾患が原因で、まったく別の全身症状が現れて、最悪の場合死に至る、危険と隣り合わせの症状が敗血症です。
〇敗血症を起こす病気は
体内の臓器に病気を発症したり、また外傷性の傷ができてその治りがよくない場合、感染症状があらわれます。特に、腎盂炎・肺炎など、炎症反応が現れる病気になると、炎症の元となる病原が血液に侵入し、全身症状を悪化させます。
敗血症は、発症から直ちに処置を必要とする危険な症状で、いち早く病原を特定し、即座に効果ある処置を施さねばいけません。
●基礎疾患のある患者
内臓系の中でも、体の毒素を取り除いたり、老廃物を体外に出す役割を担う肝臓や腎臓は、血液内の成分を正常に保つために働く臓器です。
肝臓や腎臓が弱まるような疾患があると、他の悪条件による影響を受けやすくなります。また転移が治療の問題となる悪性腫瘍や、常に正常な機能維持をこころがけなければならない糖尿病の患者は、基礎疾患から敗血症を起こすリスクが高いです。
●幼児・高齢者
十分な免疫をそなえていない子どもと、加齢による免疫低下が進む高齢者も、感染リスクが高まって敗血症を発症しやすいといえます。
意思疎通がとりづらく、病態を正しく判断できないリスクもあるので、発症してから敗血症の診断をするまでに時間が経過してしまうこともあります。
病態から原因を特定するにも、感染の可能性を探るところからスタートするため、感染源がわかるまでに相当な時間がかかる場合もあります。重篤化と敗血症性ショックに最大の注意が必要です。
〇敗血症の病態は
突如悪寒や発熱が起こり、心拍が急に上がります。動悸や激しい過呼吸のような、通常ではありえない体の異変を感じる人が多いです。
症状が長く続くと、体の異常によって意識障害が起こり、ショック状態に陥る場合もあります。重篤化した敗血症では、体温の上昇から一転し、低体温になります。
身体機能が生命維持を保てなくなり、ショックを起こしてしまう病態から死亡確率が一気に上がります。
感染した血液が循環して臓器を痛めてしまい、多臓器不全(多臓器障害症候群)を伴うケースもあります。敗血症の治療がうまくスタートで切れば、併発するリスクは低くなります。
敗血症は、発症したら直ちに治療しなければ、のちの人生に大きな障害となる臓器疾患を患う危険があります。治療開始までの時間や、身体状態、基礎体力、免疫機能により、病態は違ってきます。
しかし、敗血症リスクがある疾患や年齢であれば、身体の急変があったらとにかく救急処置をお願いしましょう。