褥瘡発症の確認と治療の見極めポイント

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褥瘡(床ずれ)は、まず皮膚の赤みから始まり、水疱や血庖が起こります。毎日の介護や看護ケアの合間に、好発部位を中心に全身の観察をして、なるべく早くこれらの症状を発見し、早めにケアすることが大切です。観察時に赤みや水疱や血庖を見つけたら、どのような治療をおこなったらよいでしょうか。

○発赤を判別する方法

圧迫などの外力によって引き起こされる皮膚組織の血流低下が一定時間続くと、阻血性障害によって褥瘡が起こります。体圧を受けずに赤くなった部分は持続せずに、一定時間経つと赤みが引きます。これは反応性充血であって褥瘡ではありません。つまりは、「外力の影響によって発生した持続性のある発赤」に注意が必要です。

●反応性充血か褥瘡かを見極めるには

判断を行う方法に、「指おし法」があります。示指で発赤部分を軽く3秒程度圧迫して、白っぽく変化するかどうかを見る方法です。白くなれば褥瘡ではなく、赤いままの場合は褥瘡と判断します。また「ガラス板圧診法」は、同じ要領でガラス板を用いて行いますが、指押し法よりも、力加減や皮膚圧迫の時の色変化を確認しやすく、観察が容易に行えます。

○水疱とは

圧迫が長時間続く、または臥床状態のずれ力によって、表皮と真皮の間に慘出液がたまることによって生じます。この状態になると、真皮層にまで損傷が起こっており、看護の現場では「d2褥瘡」と言われます。この状態で、真皮と皮膚の間の貯留液に血液がまじると、真皮層に出血を伴い暗赤色になります。これを血疱と言います。

●水疱や血庖のケア方法

外用薬を用いて創面保護を行う場合は、白色ワセリンのような油脂性基剤が有効だとされています。また、酸化亜鉛は古典的な外用薬ですが、白色ワセリンを基剤にして保護作用や軽度の防腐作用を発揮します。これによって、炎症を押さえながら組織の修復を促します。外用薬を使用する時は、ドレッシングが必要です。創面保護が重要な時期なので、ガーゼなどを用いると、ガーゼと皮膚の間が密着せずに摩擦を無くすことが難しくなります。

●水疱が破れてしまったら

水疱ができる原因となるずれ力が取り除けない状態が長くなると、発症だけではなくその水疱が破れる原因になります。まずは、破損を予防するためにも、水疱を如何に損傷しないように保護するかが重要です。破れてしまった水疱は、残存皮膚を取り除き、石けんときれいなお湯で充分に創面の洗浄を行いましょう。周囲の皮膚が感染していなければ、そのまま経過を見てただしく褥瘡管理を行う事で治癒が早くなります。しかし、創底部分に紫斑点の色味変化が表れている場合、また壊死組織が確認された場合は、深い褥瘡に進行しているため治癒に時間がかかります。

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