褥瘡治療中に気を付けたい 肉芽の状態確認

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毎日のケアを行っている時、傷の治り具合の善し悪しを確認するのは主に看護師の仕事となりますが、褥瘡を発症している人は、その日々の変化を痛みやうずき、滲出液の量で感じる事も多いものです。


特に、傷口が深部に及び傷の治り具合が遅くなると、感染症のリスクも高まります。また壊死細胞に進行していないかなどその変化を見逃さないことが大切です。
最も気を付けなければならないのが、肉芽を充分に形成促進させることです。肉芽の形成がうまく進めば失われた組織の回復が早くなり、損傷部分を早く改善することができます。
○肉芽とは
炎症を起こしたり外傷を負ったりした時に欠損した部分にできる血管が非常に多い若い結合組織です。損傷表面の壊死性組織を吸収して、欠損部分を埋める組織となります。
通常は創傷が治る過程の中で、肉芽形成時期は見た目にもきれいな創状態です。血管が集中する線維化の起こった状態をきれいなまま保つために、一層注意してその具合を確認し、良性の肉芽を育てることが非常に重要となります。
○肉芽の状態がよい場合を計る
良性の肉芽は放置していても順調に傷が治っていきます。まずは抗菌作用を含まないドレッシング材や外用薬を使用して良性の肉芽をそだてることで、全体の傷の治りを促進させます。
肉芽の状態を確認するための評価基準も、日本褥瘡学会で推奨しています。DESIGN-R?と呼ばれる褥瘡状態評価スケールがあり、この中にある肉芽組織評価項目では良性肉芽の少ない状態をG、多い状態をgとしてそれぞれ3段階に分類しています。
○肉芽の状態が悪い時は
体内機能として備わっている創傷治癒のための促進因子が活性されにくくなってしまいます。そうすると、即効性があると思われる高額薬剤の効きも悪くなるので、まずは現状をきちんと把握して必要な措置を行うようにします。
●創面の確認
肉芽形成の時期でも状態が悪ければ治癒進行が遅くなります。良性の肉芽が増えるように処置を改善していく必要があります。
●病原体が表面に付着していないか
肉芽が病原体に置かされると、自然状態では改善されません。病原体が更に増えないように、また活性しないように充分な消毒が必要となります。
●水分を保持する
肉芽は適度な水分を必要とします。肉芽状態が良くない創の場合、多くは滲出液が過剰に分泌されるケースが確認されます。
外用薬を使用する時には親水性基剤と疎水性基剤の二つを使い分けますが、滲出液の状態を見ながら外用薬を選ぶことが重要です。
肉芽の形成期に経過観察を慎重に行うことで、欠損部分を早く埋めて褥瘡の治るスピードを速くすることができます。肉芽組織の形成初期は、感染や病原体の付着に細心の注意を払いながら地道にケアを行うことで、治癒を早めることができる重要な時期です。

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