- 2017-4-18
- 褥瘡(床ずれ)
高齢になると、体のあらゆるところが以前より動かしづらくなったと感じるシーンが多くなります。
筋肉や反射神経の老化、ホルモンバランスや体内必要成分の減少などで起こる関節や骨の退化など、日ごろから意識していなければ、体力と機能を保つことが難しくなるのはいたし方ありません。
○寝たきりになる要因とは
同じ年齢層の人同士でも、毎日若い人と変わらないほどに、日常生活すべてを自分で行っている人がいれば、完全に寝たきりで介護を必要としている人もいます。
●寝たきりのきっかけ 加齢と病気
年齢を重ねることで起こりやすくなる病気もあります。リウマチや関節痛など日常的に起こる痛みや、パーキンソン病、心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化などの生活習慣病も心配ですね。仮に発症して治療をしても、痛みが残ったり、日常生活の中の動きに制限が出てきたりする場合があります。
すべては、生活のしづらい環境に自分が合わせていかねばならないことに限界がある、ということが寝たきりを助長する要因といえるでしょう。
今の体の状態に合わせて、使いやすい環境を整備して、移動を容易にすることが、寝たきりにならないために必要です。
○脱寝たきり生活 住環境整備を考える
少しずつ体力や気力、機能に衰えを感じ始めると、徐々に稼動範囲が狭まって、家に閉じこもったまま(使う部屋も限られる)ということにつながります。まずは、動くという習慣を維持するために必要な住環境の整備を行いましょう。
●手すりと段差の設置 転倒しない環境づくり
脚を上げづらい、膝が痛くてすり足になる、パーキンソン病・麻痺など神経系の病気で脚が上がらない…というように、移動に必要な脚の機能が後退すると、転倒しやすくなって非常に危険です。
畳のヘリやドアのレールなど、普段は気にかけないようなわずかな段差にも、十分な配慮を行いましょう。一度転倒してしまうと、他の箇所を怪我してさらに動くことが恐怖に感じられるため、「転ばない」というのはとても大切な要因なのです。
○脱寝たきりの意識 外へ出るきもちを維持する
高齢になると、日用品の買い物すら億劫になるほど、外へ出かけるというきもちもそがれてしまいがちです。
移動そのものが負担に感じ始めると、体を動かすことに対して前向きな気持ちを保てません。外へでて、屋外ですごす時間を楽しむための気持ちを持たせる工夫も必要です。
●外の音や雰囲気を感じる環境つくり
家の外の様子(天気や近所の公園で遊ぶ子どもの声、鳥の鳴き声など)を感じられるように、居住スペースと縁側や玄関先をうまく活用して、日の光が入るようにすることも、重要な要因となります。
人は、日の光で目覚め、日没とともに安静睡眠状態に入りやすくなるように自律神経が働きます。自律神経を健全に保てば、毎日の生活を健康的に送りやすくなります。そのためには、安らぐ程度の生活音を聞きながら、日中はしっかりと日の光を浴びることがとても大切です。
寝たきりになる要因の多くは、動きづらい・動かしづらい環境にあります。まずは一つ一つの危険や不具合を取り除き、健康的な生活サイクルを維持するように心がけましょう。