- 2018-7-6
- 褥瘡(床ずれ)
褥瘡の治療として適切な外用薬を使っていても、なかなか良くならないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。治りにくい原因として栄養状態の低下が考えられます。今回は、その中でも、褥瘡とビタミンCの関係を見ていきましょう。
■なぜ栄養不足に?
褥瘡患者の多くにみられるのは、身体の状況が変わったことで、食事をとることが難しくなり、点滴ときざみ食を併用しているなど、その食生活までも大きく変わっていることがあるでしょう。そのため、褥瘡を治すために必要なタンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養成分が不足していることが考えられるのです。褥瘡の予防・治癒には低栄養の改善が必要なのです。
■分類別の栄養管理
褥瘡の分類別でも栄養管理が変わってきます。介助される方の状態によって必要な栄養素が適量に必要になってきます。
◎炎症期(黒色期・黄色期)
・炭水化物
・タンパク質
・アルギニン
◎増殖期(赤色期)
・タンパク質
・亜鉛
・銅
・鉄
・ビタミンA
・ビタミンC
◎成熟期(白色期)
・カルシウム
・亜鉛
・ビタミンA
・ビタミンC
■ビタミンCの重要性
よく、ビタミンCは、美肌に効果があるといわれていますが、実はその他にも重要な役割も持っているのです。
◎コラーゲンの生成や強度の増強に必要な栄養素
不足すると、コラーゲンの抗張力が低下(支持組織や毛細血管の脆弱化)します。
◎肌荒れの予防
抗酸化作用があり、細胞の老化を食い止める役割があり、肌荒れを予防してくれます。高齢の方にはアンチエイジング効果もあるのでぜひ取っていただきたい栄養成分です。
◎免疫力を上げる
風邪をひいたときなどに良いとされていますが、高齢者は血漿中ビタミンCの濃度が低下することや、組織中のビタミンCの含有量が低下することが知られています。また、体内の免疫機能だけではなく、肌の免疫機能も高めてくれるので強い肌を作るためにも必要なのです。
■どれぐらいをどのタイミングで必要なのか
ビタミンCを1日にどれくらい摂取すればよいのでしょうか。70歳以上の推奨量としては、食べる量としての目安ですが、それぞれ一回で、さつまいも1本か、キウイフルーツ一個、ブロッコリー2房、柿1個となります。
効果的な摂取方法としては、細胞の生まれ変わりを促す成長ホルモンが出るのは、睡眠直後だといわれていますので、眠りにつく1~2時間前が良いとされています。
■まとめ
いかがでしたか。なかなか栄養管理は難しいところもあるでしょう。ですが、今回の記事で褥瘡の予防と治癒にはビタミンCが必要だということがおわかりいただけたでしょうか。
褥瘡予防・治療にはビタミンCの摂取と共に、除圧ケア専用機器リラフィールの併用もご検討ください。