- 2016-7-13
- 褥瘡(床ずれ)
車椅子やベッドでずっと同じ体勢で過ごしていると、体重による圧迫で皮膚に酸素や栄養が行き届かなくなります。
さらにその状況で肌に触れるものと摩擦が起きれば肌に負担をかけることになるでしょう。
このような状況によって肌の組織に障害が起きたり壊死してしまう状態が床ずれと言われる状態です。
床ずれの症状
軽度であれば接触している肌の部分が赤くただれてしまう程度ですが、重度になると皮膚は腐り筋肉や骨が見える状態にまで進行します。
床ずれは急性期と慢性期に分類できます。床ずれができてから1週間から2週間が急性期、それ以降が慢性期になります。
急性期は皮膚に赤みが現れてかゆみや水ぶくれ、痛み、紫斑と呼ばれる赤紫色のあざができます。
床ずれの症状が慢性期になると、皮膚の炎症は筋肉や骨にまで及び周囲の組織も破壊された状態になります。
体力の衰えにより抵抗力が低下している状態の場合、床ずれが原因で感染症にかかる場合もあり、命に関わることもありますので注意が必要です。
床ずれの要因
皮膚が長時間圧迫されることで起きますが、皮膚が乾燥している場合や栄養がそもそも不足している場合にはさらに床ずれになりやすくなります。
圧迫や摩擦以外にも、汗や排泄による皮膚の湿潤なども床ずれの要因となります。
他にも体が痩せている人、むくみのある人、持病があって薬を服用している人(抗がん剤やステロイド剤など)、手足の関節が硬い人、糖尿病のある人、意識が低下している人などが床ずれになりやすく、そこに介護ケア不足など社会的な要因が重なって床ずれを起こすことがあります。
床ずれを解消するために
床ずれを悪化させてしまわないように、正しくケアしていくことが必要です。解消するためには禁止行為と適した行為を見極めて行うことが大切です。
床ずれの際の禁止行為
・床ずれが起きている部分に刺激を与えるマッサージ
・肌を乾燥させること
・床ずれが起きている周囲の皮膚も圧迫させる円座の使用
・無理な体勢を取らせること
床ずれの際の適した行為
・衛生面をしっかり維持する
・除圧
・定期的な体位変換
・栄養補給
床ずれ予防と改善のためには
まずは皮膚の状態を毎日観察することが必要です。骨が突出している部分は特に床ずれを起こしやすいので圧迫されないように気を付けます。
皮膚が赤くなっていたら体の向きを定期的に変えてみましょう。30分くらい経ってから赤みが引いていれば問題ありませんが、まだ赤い場合には床ずれの可能性もあります。
皮膚のスキンケアなどで栄養状態を整えることも必要になります。皮膚が乾燥してしまうと皮膚表面に隙間ができて刺激物が侵入しやすくなり皮膚障害を起こしやすくなるので注意しましょう。
体の組織が傷んでしまう前に血流を良くすることが最も重要になります。