- 2019-9-30
- 血行促進
「褥瘡」の予防や改善には血行促進がかかせません。皮膚が乾燥していると、それによって皮膚が傷つきやすくなります。そのため、入浴の後に身体の水分をよく拭いた後、ケラチナミン軟膏やヒルドイド軟膏などを使って、保湿しマッサージにより血流を促します。
今回は、この保湿クリームについて見ていきましょう。
褥瘡発生後
身体に褥瘡の発生が見られた場合には、以下の対処が取られます。
① マットレスやクッションの選択、体位交換
② スキンケア
③ 患者教育
④ 運動・物理療法
②「スキンケア」にはどのような塗薬を使用するのでしょうか。
「褥瘡」が発生した部分に、細菌が増加し炎症が起こってしまっている状態にも使える外用薬から、感染が落ち着いたあとの「肉芽形成」や「皮膚再生」を促す薬、保湿によって皮膚を保護するものなど、その用途によって使用する塗薬も様々です。
保湿クリーム「ヒルドイド」
雑誌やSNSなどで、ヒルドイドに美容効果があると話題になりました。それをきっかけに美容のためにヒルドイドを処方してもらう人が増え、問題視されています。ヒルドイドにはどのような効能があるのか、何が問題視されているのかなど下記にて詳しく説明していきます。
ヒルドイドとはどんな薬か
保湿性が高く、血行を促進させる働きがあります。「凍瘡、瘢痕・ケロイド、皮脂欠乏症、アトピー性皮膚炎」などの治療に使われます。また、血行障害によっておこる痛みと腫れを和らげる効果があります。へパリン類似物質という成分が、優れた保湿効果を発揮するのです。
美容効果は本当にあるのか?
お肌・皮膚にとって保湿は大切なことです。ヒルドイドの高い保湿性が「美容効果抜群!」ということになっていますが、「ニキビの治療に効く」「アンチエイジングの効果がある」などという情報も出まわっています。ですが、それらの効果は期待できません。期待できるのは保湿と血行促進の効果です。また、ヒルドイドには副作用もあるので用法・用量を守らなければなりません。医療用のものですから、医師の指示の下治療のために使用することが大前提なので、美容目的での使用はやめてほしいものです。
まとめ
「褥瘡」になりやすい皮膚(乾燥)の状態を防ぐためにも、皮膚保護のため保湿クリームなどで塗布を行う必要があります。SNSでの情報を全て鵜呑みにして、美容のために薬を処方してもらうことは、治療のためにその薬を必要としている人もいるのでやめてほしいですね。