血流を良くするツボを知る 冷えを解消して血行促進

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褥瘡が発症する原因の多くは、局部の圧迫に依る血行不良です。寝たきりの姿勢が長くなると、体重が骨の突出部分を強く圧迫し、その部分の血流が悪くなります。次第に周辺の血行が悪くなって、ちょっとした皮膚の摩擦、ずれによって皮膚が損傷することが大きな理由です。

体全体の血流を良くすることで、体内機能が改善されて皮膚の状態も良好に保つことができます。皮膚の擦れによって損傷を起こしやすくなるのは、皮膚表層の乾燥も大きな原因です。
血流を良くすると、体内の血行循環が促されて皮膚や細胞に必要な栄養分をきちんと届けることができるようになり、乾燥状態を緩和することにもつながります。

○寝たきりの患者に血流促進ケアは大切
体の血行が悪くなると、健康な状態を保てなくなるというのは良く知られていますが、具体的にどんな部分に弊害が起こるかを知っておくと、血流を良くすることの大切さも実感するでしょう。

●身体機能を高める
もともと、体には自助作用や免疫機能が備わっています。自分の体の中にある免疫機能を高めるためには、働く臓器にしっかりと栄養を届けることが大切です。栄養を送る血液が正常に体を循環すれば、必要な栄養を届けて不要な老廃物を取り除くことができます。

●冷えと血流の関係
体が冷えると免疫機能やバリア機能が下がると言われるのは、血流と大きく関係があります。血液が循環することで体温を保ち、体を芯から温めることに繋がるからです。血行が悪い体は冷えやすく、冷えた体には老廃物が多く溜まっているという事になります。老廃物が多くなると血液はドロドロになり、更に血流を悪くしてしまうという悪循環が繰り返されます。

●運動以外にできる血流促進方法は
筋肉の収縮を行う事で血行は促進されます。また運動で心拍数を上げると体を循環する血液量を増やすことができますが、褥瘡を発症する環境にある患者は、上手く体を動かせずに血流不良を起こしやすいため、運動以外に血行をよくするツボの刺激が効果的です。

○ツボを推して血流を促す
慢性的な冷え症に効くと言われるツボを刺激すると、全身の血流促進に繋がります。冷え性を改善することで体温調節機能をつかさどる防衛体力と、活動をつかさどる行動体力を改善し、抵抗力を底上げすることができるのです。

●ふくらはぎ側面 三陰交
褥瘡を発症している患者は、手や足の末端に近い箇所のツボを刺激するという方法が取り入れやすいでしょう。特に足の内くるぶしには、体の冷えを緩和するツボがたくさんあります。内くるぶしから親指日本分したあたり(照海)のツボと、くるぶしから指幅四本分上の太いすね骨の後ろ側にあるくぼみ(三陰交)の間を目安に重点マッサージすると、全身が温まってきます。

運動に限らず、ツボを刺激することで血流を良くすることもできます。手や足にも全身の血行を良くするツボが多くありますので、介助の合間や経過観察のときにツボ推しを取り入れてみると良いでしょう。

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