血流が増加することでえられる身体的効果

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人間の体のなかを縦横無尽にめぐっている血管。その血管の中を絶えず流れる血液の状態は、人の体に様々な影響を与えます。

血流が滞ると良くない。これは一般的によく言われる事ですが、どんな点に影響するのかを知っておくことで、血流増加によってもたらされるメリットも知ることができます。

○血流と自律神経には密接な関係が
交感神経と副交感神経。この二つの自律神経は、ひとの体を静と動のモードに切り替えるスイッチのような役割を果たします。

体を休めるように指令を出すのが副交感神経です。副交感神経が優位に働きだすと、人の体の体温は上昇します。眠たくなってくると体がホカホカと温かくなる、またお風呂にはいったり、温かい部屋や衣服、布団に包まれたりする環境の中では眠たくなる。このように、体温が上昇する環境が整うと副交感神経が優位な状態になります。体を休めるためには睡眠が最も効果的。睡眠導入の役割が大きいのが副交感神経です。

反対に、体温が低めの状態を作り、動スイッチをオンにするのが交感神経です。興奮をつかさどる神経で、血流が増加し脳内が活発に働き始めます。そのため、身体機能も冴えて体も活動的になるため、体熱を発して体温は下がり気味になります。

○自律神経のスイッチがない状態が続くと
寝たきりの状態が長い入院患者の場合、体を横たえた「静」の姿勢が続きます。しかし、朝目覚めても上手く運動ができず、疲労を感じない環境の中では、交感神経のスイッチに切り替えるタイミングがあいまいになります。体は常に温められて副交感神経と行ったり来たりの状態が続きます。

これでは次第に、自律神経がうまく機能しなくなってしまいます。自律神経が乱れると、昼に眠気が強くなり、反対に夜は上手く入眠できないというような生活の乱れを引き起こすことになります。

夜に交感神経が優位になり、血管が収縮して活動的な体になると、不眠や睡眠障害を起こしやすくなり、更に血流が悪化してしまうのです。

○血流を増加させて自律神経を保つ
血流増加は、副交感神経が優位な状態にしてくれます。血流が全身をめぐって体を温めると、体温が上昇して体を休めようとします。また血流が促されると、全身に必要な栄養を届けて、老廃物を回収します。血流が停滞すると、体の老廃物が血中に貯まりやすくなり、コリや冷えの原因となるのです。

●日の光を充分に活用
入院や寝たきりが長期にわたると、日の光を浴びる機会が減ります。日光に体を当てると自律神経に非常に効果があると言われます。日中に日の光を充分体に浴びる事で、体は目覚めて活性しますし、日の光が落ちて暗くなれば、静のスイッチが入りやすくなります。

規則正しい生活を送りながら、日中は外気に触れ、また自立が難しければ体勢を少しずつ変えて体圧をこまめに解消するようにしましょう。

全身の血流が増加すれば、栄養分を各所に届けることができるため、身体機能を維持することができ、免疫力も高まります。

入院や寝たきりで、第二、第三の不調を引き起こさないためにも、血流を増加させて自律神経を正常に機能させるような、メリハリのある生活を送ることが大切です。

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