寝たきりでもできるリハビリ運動 毎日こつこつと

f292e8586a4cb58077718116490cce62_s

一度長患いをすると、その後に離床することが難しくなります。これは年齢や体力に関係なく、数週間寝たきりですごした経験がある人の多くが実感することです。
毎日体を動かしていると、さほど感じることはありませんが、一日中体を横たえたまま過ごしていると、体の機能的な面だけではなく、動かそうという気持ちにも変化が現れます。ちょっと動かしただけで、体のいたるところが重く、動かしづらく感じるのです。


○寝たきりにならないためのメンタル維持
寝ることと起きて活動することにメリハリがある日常を過ごしていると、「動かさねばならない」という気持ちがさほどなくても、自然と何かに向かって動きやすくなります。しかし、寝たきりが日常の姿勢で過ごす人にとって、動かすという行為は「敢えて動かす」行動です。
体を起こして歩く、座るという行動と比べて、寝た姿勢から起きる、動かすというのは、ハードルがさらに高くなります。
まずは、意識して動かすということを、寝たきりの本人と支える介護者が心得て、寝たきりを脱するという気持ちを維持することが大切です。

 
○簡単な運動から始める
徐々に体力と機能が奪われてしまい、寝たきりの姿勢が長くなってきた人(高齢者)は、それ以上に日中の寝た姿勢を長くしない取り組みやリハビリを優先しましょう。決して体に無理をさせては、リハビリや簡単な運動も長続きしません。
健常な人が、一部からだの機能を欠損して寝たきりで過ごしていた場合、「早く元通りの生活を送れるようになりたい」という気持ちが先行して、過剰に付加をかけてしまいがちです。
普段どおりの生活を送ることにばかり気を取られて、マヒや制限稼動域を解消するために負荷をかけていると、失われた機能を改善するために、他の部位をいためてしまうことがあります。

●姿勢とリハビリ運動の稼動 ずれ力に注意して
ベッドの上に寝たままの姿勢で、簡単に取り組むことができるリハビリ運動があります。特に、下半身(下肢部)は血流を促すという目的からみても、率先して取り入れていくのが望ましいのですが、寝たまま運動を始めると、体の一部を動かすことで大きなずれ力が発生します。
特に、半身麻痺がある症状のために寝たきりで過ごす患者は、マヒ部分に感覚を取り戻そうと、全身が力んでしまいます。他の筋肉を硬直させて緩ませるという点を考えれば、全身の血流が促進されて良いのですが、同じ姿勢のまま同じ動きを長く繰り返して無理をすれば、同じ箇所に圧迫とこすれが生じやすくなります。
機能を取り戻すことを最優先にせず、毎日少しずつ負荷をかけて、リハビリ運動を続けていくというのがとても大切なのです。
無理をして急に体を動かせば、筋や筋肉を傷めたり、ずれ力で床ずれを起こしてしまったりします。気のあせりは禁物です。できることから地道に続けて生きましょう。

関連記事

ページ上部へ戻る