寝たきりの状態が長くなることが体に与える影響は

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毎日、健康的な生活を送るためには、日々運動をしながら、食事を規則正しく取って栄養を摂取することが大切。これは誰しも想像することができるでしょう。
ただ、加齢やケガ、病気になってしまった後、十分に運動をしたり食事を自ら摂ることができなくなってしまう状況はだれにも起こり得ることです。
健やかに生活するためには、完全なリズムを万全に整えねばならないという使命感を持つよりも、できることから少しずつ取り組むような姿勢と気持ちが大事になります。
できないことを悔やむのではなく、自分でできることは自分で可能な限り行う。
自立した生活を目指す気持ちを持つだけで、寝たきりを遠ざけ、自分らしい生活・人生を送るための大きな一歩になるでしょう。


〇寝たきりの生活が体に及ぼす影響は
体は絶えず、(意識・無意識に関係なく)何かしらの活動を繰り返しています。生命維持に必要な無意識の活動は、体内で脳内信号によって行われています。
潜在的な生命維持活動に障害を与えるような、例えば脳・心筋梗塞や脊髄損傷など、神経や脳指令に影響を及ぼす疾患や疾病が起こった場合、自ら体を動かし、機能を維持するように意識をしなければ、あっという間に寝たきりの状態を招きます。

 
●寝たきりの時間と関節機能・筋力低下
例えば、日々健常な生活をしていた若い人が、インフルエンザなどの感染症を起こしたり、身体を支える重要な骨を骨折したりしたとしましょう。
体を自分で起こしたり、歩いたりすることができない時間が一週間でもあれば、完治した後に起き上がる際にふらつきやめまい、足の関節に大きな負荷が掛かる様な感覚が起こります。
足や腕の曲げ伸ばしをしない時間が数日間あるだけで、関節がこわばったようになって動かしづらさを感じるでしょう。
歩き始めると、足全体が重く、一気に血が巡るようなしびれにも似た刺激が伝わります。
これは、療養中に動かすことが無かった筋肉への刺激が減少していたことに依ります。
これらの間隔は、安静が長くなればなるほど大きくなり、元通りに動かせるようになるまでの時間にも関わります。特に、加齢や老化によって、筋力が低下していたり、関節が固くなっている人は元に戻る時間がさらに長くなるでしょう。

 
●寝たきりから離床までに起こる体への影響
健康な生活を送ってきた人ほど、離床への意識が強くなる傾向があります。寝たきりで療養や治療をしていた場合、徐々に元の生活に戻そうとしてリハビリを行いますが、自立した生活を送れていた人ほど、完治や治癒したとたん、すぐに元通りの生活に戻れると思っています。
しかし、この完治直後にも、寝たきりで過ごした影響が及びます。自分が思っている以上に筋力は弱まり、寝たきりの姿勢(仰臥位)は自律神経に影響を及ぼしていることもあります。
起き上がったとたんにふらついて転倒する、足をベッドから降ろして足裏を床につけたものの、体重を支えることができない、振り向いたときの平衡感覚がうまく取れない、起立性低血圧により眩暈がする…このような体への影響を、意識しないままいきなり動こうとするのは危険です。
数日間でも、療養のために安静な状態を過ごした後は、寝たきりの体勢から起き上がる前に、少しずつ手足を動かす(力を入れる・関節を曲げ伸ばしする)リハビリを行いましょう。
また、必要に迫られて突然上半身を起こし、すぐに動こうとするのも危険です。転倒が原因でさらにケガをして療養を長引かせる可能性もあります。

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