褥瘡になったら 市販薬の選び方とポイント

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毎日の生活を、一定の姿勢で過ごすことを余儀なくされている人にとって、褥瘡は常に起こるリスクのある厄介なものです。どんなに気を付けていても、特に麻痺がある患者や移動で車いすを使う人、手やひじを日常的な支えとして頻繁につかう人は、圧迫箇所に褥瘡発症リスクが高まります。

早期に見つけることができれば、在宅でも自分で手軽に処置することは可能です。進行してひどい状態になるまえにケアしておくと、傷の治りも早く、他の感染症リスクも下がるので、ぜひ早めに対処しておきたいですね。
発生した褥瘡は、圧迫を避けながら外用薬を塗布して経過を見ます。そこで、市販薬をどう選んだらいいのか、その選び方とポイントを紹介します。

 
○褥瘡の病態に応じた市販薬を
単なる打ち身や切り傷と異なり、褥瘡はその時々で病態が変化しやすく、また誤った市販薬を選ぶとさらに進行させてしまう原因にもなりかねません。病態の特徴に応じた市販薬を選ぶようにしましょう。
通常の外傷なら、傷に薬を塗って放置しておくこともあります。ただ、褥瘡の場合は、皮膚の乾燥が傷の治癒・改善に大きくかかわってきます。外用薬を塗布した後に、しっかりと創面を覆って保護することが大切です。

 
○軟膏の添加基材に注目
褥瘡は、創傷面が乾いてしまうと治癒からどんどんかけ離れていきます。表面がドライな状態が続けば、その皮膚の下でさらに進んでいる褥瘡を見逃し、ポケット形成の発見が遅れたり、深部の細胞壊死を見逃してしまうことにもつながります。

 
●基材の役割と市販薬の選び方
褥瘡治療には、軟膏や噴霧剤、散剤、シートなど形状も様々なものがありますが、もっとも頻繁に使うのは軟膏に用いられる基材でしょう。
基材には、保湿性・吸水性・補水性の三大要素があります。それぞれの基材にある特徴が、塗布する創傷の状態にあっていなければ効果が得られません。 一般に広く薬局で販売されている市販薬にも、褥瘡ケアができる外用薬がたくさんあります。主に、皮膚表面の乾燥を防ぐために用いる白色ワセリンは、利用シーンや頻度も多くて、傷ケアに限らず乾燥した皮膚の全身ケアにも重宝します。
よりきれいに、より早く褥瘡を治すためには、早めの治療が不可欠です。そして、早期治癒を目指すために、「滲出液と創の状態をよく確認して湿潤状態を保ちながら、皮膚表面の乾燥を防ぐ」という目的を、その時々でかなえられるような薬の選び方をしましょう。

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