褥瘡の治療段階で注意すべきポケットの扱い

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褥瘡はその段階に応じて必要な処置を行うことで、快方にむかわせることができます。しかし、創傷部を見ただけではその深部の傷を判断しづらいのが褥瘡治療の難しい点でもあります。
傍目にみて小さな傷だと感じても、その深部では侵食が続いて膿がたまっている、または壊死が進行している可能性があります。このようなときにできるポケットをどのように処置するべきかについては、ポケットの進行段階に合わせた療法が必要になります。


○ポケットの種類と症状
褥瘡のポケットが形成される仕組みは、大きく二通りに分けることができます。一つ目は、加圧とずれ力が体の表面に加わることで、突出部と近い軟部組織部分の血流が悪くなって重度化し、広範囲にわたって壊死が進む場合。
そして二つ目は、床ずれの治癒段階として、中・後期に起こりやすく、体位変換や背抜きでずれ力がおこることが原因といわれている場合です。

●初期の壊死融解型ポケットの症状
初期型のポケットは、日常的な動きのなかで起こるずれ力、または体圧によって起こるため、予防をすることが難しいというのが特徴です。このポケットを予防することができるなら、そもそも初期の褥瘡が発症することはなく、表面的な創傷にとどまらなかった結果といわざるをえません。
表面から見ると、壊死した部分が黒く中心にあり、その周囲は硬結または発赤している状態です。壊死細胞を融解すると、砂時計のように中心が細く深部に行くほど広がる壊死組織が確認できます。
壊死組織をすべてとり去った後のポケットには、新たに肉芽組織が育ち始めて、きれいにふさがれば治癒も近くなります。

●外力介在型ポケットの症状
骨の突出部分に必ず形成されるわけではなく、介助の際に外力が原因となって皮下組織にずれ力が起こると、ずれ力の方向と骨の突出部分につながるようにポケットを形成します。このタイプの褥瘡は、介助や介護の際に生じるずれ力(外力)をなくすことで発生の予防が可能です。
一見できる創傷部分の直下ではなく、斜めに流れるようにポケットができるため、表面の創部分のみの処置では褥瘡を治癒させることはできません。そして、表面から深部にかけてのケアが難しいため、身体状態を加味した上で切除することができれば、治癒も早くなります。

 
○褥瘡ポケットの壊死細胞を完全に取り除く
わずかでも壊死細胞が残存していれば、滲出液が多くなり膿も出やすくなります。この状態ではきれいな肉芽が育ちにくく、治癒に時間がかかります。創部を乾燥させないように湿潤状態を保ってケーベンクリームとプロメライン軟膏を使用し、早く壊死細胞を除去するようにしましょう。
中~後期の褥瘡はできるだけ早くでブリードマンを行い、深部の感染を予防する必要があります。初期のポケットには反対に保存的処置を行うほうが、傷も小さくてすみます。

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