褥瘡は早く気づいて手当てを 創に合わせた処置方法

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褥瘡は、ぱっと見て気づいたときには、ただの擦り傷や皮膚の炎症程度にしか症状が現れません。しかし、皮膚の内側では時間がたつごとに、じわりと着実に進行しています。
できるだけ早く褥瘡を発見して、表皮が傷ついていると判った時点で正しく処置を行いましょう。その処置方法が正しく行われれば、数日で治すことができる褥瘡も、放っておくと深刻な傷となって、完治までに数ヶ月もの時間がかかってしまうこともあります。


○褥瘡が頻出する箇所の処置方法
褥瘡といっても、皮膚の表面が剥離しているか、水疱や発赤程度のものかによって処置方法が異なります。
優先すべきは、圧迫箇所を保護すること。そして乾燥を防いで傷を早く治すことができる外用薬を使用することです。特に尾骨部分は除圧が難しく、褥瘡になりやすいため注意が必要です。

●圧迫とずれでできた尾骨褥瘡の処置
ずれ力が大きくなると、老化によって乾燥とたるみがある皮膚などは特に、傷つきやすくなります。この場合、傷つき剥離した皮膚の上皮化をすすめながら、ずれを防ぐことが大切です。
滲出液が出ているならウレタンフォーム、出ていなければハイドロコロイド材の創傷被覆材を使いましょう。上皮化がうまく進まないときは、リフラップ軟膏やイソジンゲルを調製します。

●尾骨部分で起きた浅い褥瘡の処置方法
皮膚の傷ついている箇所が骨突出部分の上に位置する場合は、固定テープなどを使って皮膚を引っ張り、創面が骨の真上に来ないようにずらしましょう。ごく初期の段階は、滲出液もそれほど多くありません。テラジアパスタやアクトシン軟膏といった、弱い吸水性のある軟膏を塗布しながら、上皮化を促すように処置していきます。
乾燥が進んでいる場合には、保水性や油脂性の薬剤を選んで塗布しましょう。
○真皮の残存程度にあわせた処置方法
真皮があらわになった状態は、皮膚の上皮が失われて感染のリスクが高まります。滲出液が多くなり、皮膚細胞の壊死が進みやすくなる状態です。

●真皮が露出した場合の褥瘡処置
上皮細胞がない状態で真皮が露出すると、清浄化した創面は、鮮やかなピンク色と乳頭層(表面に粒がみえる)が現れます。まずは乾燥や感染による細胞の壊死を防ぎ、上皮化を促す薬剤を選びましょう。
真皮の露出程度によって、滲出液が多くなることがあります。その場合には、創傷被覆材と外用薬で滲出液の量をコントロールし、湿潤環境をキープしながら乾燥し過ぎない状態を作っておくと、上皮化しやすくなります。
表皮や真皮の壊死が進むと、壊死した患部が乾燥して硬くなります。このとき、浅い創なら上皮化を進めて壊死細胞を軟化させて、清浄化を進めます。
外用薬の調製は、その薬の成分によって硫化したり、効果を相反させることもありますので、事前調合してもいいか否かなど、医師や薬剤師に相談して用法用量を守りながら使用しましょう。

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