- 2016-8-12
- 腰痛(肩こり・筋肉痛), 褥瘡(床ずれ)
褥瘡(じょくそう)は、寝たきりの状態が長い入院患者や、介助を伴いながら生活する肢体不自由があって同じ姿勢を取り続ける時間がながく体位を変えづらい在宅看護(介護)者に多い症状です。
体位を定期的に変えながら、一点にかかる負荷を軽減することで症状を未然に防いだり、緩和することができます。
そして、この褥瘡が起こりやすい場所(好発部位)を知り、介助の際にはなるべく圧力や摩擦を生じさせない工夫が必要です。
○仰向け寝の状態での好発部位
寝たきりの姿勢が長く、体重や布団の重みなど、皮膚や皮下組織に長時間一定の負荷がかかることで圧迫されることで生じる皮膚の潰瘍が褥瘡です。
●後頭部・肩甲骨部・仙骨部
後ろ頭や肩甲骨は、体を横たえた時に骨が布団やマットレスに入り込む感覚があるのでわかりやすいのではないでしょうか。
同じく、仙骨部は臀部(お尻)の中心に出っ張った骨を指します。普段自立生活をしている人にとっては、さほど大きな突出に感じることはないかもしれません。しかし、この部分程度の突出も、寝たきりの人にとっては充分に圧迫されて褥瘡になりやすいです。
また、おむつをしている高齢者や、失禁失便の可能性がある人は、蒸れやすいうえに皮膚の衛生が保てず、ただれたり赤く炎症を起こしてしまう事もあります。そのため、仙骨部の褥瘡は注意深く観察し、下を清潔に保つ必要があります。
●肘頭部・踵部
意外に見落としがちなのが、肘の部分(肘頭部)と踵部です。この部分は、自由に体位を変えて寝ることができる人には、圧迫感を感じることがさほどないかと思います。
しかし、寝たきりが長く筋力が低下して、介助なしでは体位を変えられない人にとって、腕や足をほんの少し動かすことすら叶わない場合が多いのです。特に肢体不自由の患者の場合、例えば半身マヒや四肢マヒの患者には、特に肘や踵の褥瘡を注意して観察する必要があります。
○横向き寝の状態での後発部位
体位を変えて褥瘡を防ぐ中でも、横向きの姿勢で寝た時に、圧迫や摩擦が生じて褥瘡を引き起こす場合もあります。
●耳介部・肩峰突起部・腸骨部
横を向いた状態で圧迫を感じやすいのは、耳、肩、腰部分でしょう。耳は特に柔らかく、軟骨もあるのでつぶれてしまわないように注意しましょう。
肩と腰は、大きな突出部分ですので、一点に体重がのしかかります。圧力と摩擦の両方が起こりやすいので、体位を変える時は特に気を付けるべきです。
褥瘡を防ぐために体位を変える動作が、逆に摩擦を引き起こして床ずれを悪化させてしまう場合もあります。
褥瘡を起こしやすい部分をしっかり理解して、突出部分に重みが集中しないケアを行いましょう。