褥瘡の病変部についての判断とその後の処置

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褥瘡は、ほんの数時間の圧迫から発症し、ケアの方法や処置の段階に応じて、取らねばならない対策と処置方法が異なります。

病変部を確認したら、次のステージに処置方法を切り替えるのか、または観察を続けて病変部のケアを継続するか。これは医師の判断の元で看護計画やケア方法を変更吸う必要があります。

また、使用する外用薬やドレッシング材も変わってくるでしょう。治癒に向けて改善された場合は良いですが、褥瘡の経過を見落として進行させてしまい、結果として壊死組織の量が増加してしまうのは決して良い状況ではありません。

○病変部と壊死

壊死組織とは、褥瘡においては血流障害によって脂肪織や筋肉が損傷を受けてしまう事を指します。

一度損傷を受けた病変部組織は、治ろうとする働きから色の変化や皮膚の具合が変わってきます。しかし、損傷を受けた組織の変化は、表層の壊死性の変化の場合、黒色に変化してきますので、肉眼でも確認しやすくなります。

ただ褥瘡の場合は、表面から細菌の侵入による状態の悪化や改良が始まるとは限りません。

褥瘡患部の深部(内部)から損傷が生じる場合もあります。

  • 病変部の壊死組織を取り去る:デブリドーマン

褥瘡が起こっている場合、その処置方法として壊死組織はなるべく除去することが優先となります。全身の状態にもよりますが、壊死組織を目視で確認した時は、そのまま放っておくという事はあまりありません。

傷口が広く、また深部に達している場合は外科的デブリドーマンの施行を行います。

  • 外科的デブリドーマンを行う時は

壊死組織(黒色部)と周囲の組織の状態を確認します。そして、病巣となっている病変部と周辺組織に境目がはっきりしたとき、外科的に切除を行っても良いと判断できるでしょう。

また、高熱やほてりなど感染要素が沈静化した時にデブリドーマンを行います。そして、問題となるのはその傷の深さで、明らかに皮膚組織を超えて皮下組織にまで到達する深さに及ぶ場合は、外科的な処置をお願いするべきでしょう。

総じて、病変部を確認する時は、「触って目で見る」「色・硬さ・におい」でおよその病状を判断することができます。

○病変部は自力回復出来ない

一度虚血性変化を起こして組織が変性した箇所は、そのままにしていては元に戻りません。編成した処置の状態をしっかりと見極めて、新しい組織を形成させるために、完全に壊死した細胞は綺麗に外科的処置で取り除かねばなりません。

病変部に壊死細胞が場合は、感染症を引き起こして他臓器を不全にしてしまう可能性もあります。タイミングと切除方法をじゅうぶんに検討して行う事を要します。

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