褥瘡の早期治療と皮膚細胞の不死化

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褥瘡を発症すると、まず一番に皮膚組織が大きく傷つきます。びらんやただれと言った状態が長くなることで、皮膚がふやけてしまい、傷つきやすくなります。
皮下組織の褥瘡進行が進んでいけば、細胞深部にまで創傷がすすみ、やがて壊死細胞化してしまいます。

壊死した細胞は再生することはありませんし、周辺組織にも悪影響を及ぼします。一般的に壊死した細胞は、毎日の褥瘡処置で取り除き、あらたな細胞が確立してくる邪魔にならないように処置します。
壊死細胞のケアと丁寧なポケットの処置が、その後の治癒に向けた時間や傷の形成程度に大きく関わります。

○深部細胞の壊死とケア
表面的な創の状態だけでは計れないのが褥瘡の経過観察で非常に難しさを感じる点でしょう。特に骨が突出している部分で、褥瘡好発部位の代表ともいえる仙骨部分は、常に圧迫されやすい環境にありながら、姿勢の変換を頻繁に行う事が難しい箇所です。寝たきりの状態が続く患者としては、あおむけ寝の姿勢が最も楽に感じる人も多く、気が付けば患部が乾燥して黒くなってしまったという人もいます。

●乾燥したかさぶたか壊死細胞か
一見すると、傷を覆うかさぶたのように見える創傷もありますが、傷口が皮膚だけにとどまらず、皮下組織へ進行しやすい褥瘡の場合は、黒くなった傷を壊死細胞として疑ったほうが賢明でしょう。黒く硬くなった患部の奥には、壊死が進行して蓋をしてしまい、膿がたまり、更に壊死細胞と健常な細胞が隣り合っている状態の場合もあります。

●乾燥を和らげる患部ケア
壊死細胞を除去するのは外科的手術や処置となります。安直にはがし取ると、中の細胞を傷つけてしまう恐れもありますので、ケアを行う人は慎重に進めるべきです。
渇いてしまった患部にクリーム基材を塗り、柔らかく溶解させることで柔らかくなり溶解していくような処置を行います。

○細胞壊死と細胞の不死化
壊死細胞のように、体の中では分裂して新たに生まれ何度も生殖活動を繰り返しながら、一定の短さ以上になると老化します。しかし、細胞の中には、ガン細胞のように老化しないものもあります。このような細胞は不死化細胞と言われます。

●がん治療を応用して
ガンは体の中で増殖活動をすると、転移やステージ進行等、好ましくない結果を出しますが、細胞は常に増殖を続けています。
このがん細胞にならって、不死化細胞の研究が医療現場でも盛んになっています。
現在の技術では、移植や再生に依って障害が起こった細胞の幹細胞移植をしながら、細胞そのものが分裂を長く行えるような研究が続いています。
このような技術は、褥瘡で悩む患者にこそ適用したい医療研究成果です。

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