デブリードマンが必要か 褥瘡と虚血の関係

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壊死細胞があり、褥瘡の治癒を妨げている場合、主に外科的なデブリードマンを実施して、壊死細胞を取り除く施術を行います。
ただ、壊死が進行している場所によっては、その壊死進行が褥瘡に依るものか、または別の原因があるのかを専門的な医学的判断によって行わねばならない場合があります。


○褥瘡が踵や足の下肢部分にある時
一般的には、壊死組織を確認した場合は、タイミングをはかってデブリードマンを行う事を勧められます。壊死細胞が創部分に残っていると、細菌感染を起こして更に褥瘡をひどくしてしまい、治癒までの時間を長引かせてしまうためです。
しかし、重度の虚血を起こしやすい下肢部分の壊死細胞を処置する時には、その血流の状態と圧迫具合について双方をきちんと観察することが重要だと言われています。

 
●下肢の体圧管理
確認をする時は、毎回実際に褥瘡が発症している部分とマットを接着させて、褥瘡が原因か、それとも虚血に依るものかを判断します。さらに、通常取っている体位のポジショニングを確認し、創傷が起こる可能性があるかも併せて確認する必要があります。
下肢部分は、体感部分と違って、マットレスや体圧分散用具を上手に活用する事で圧迫を除去することができる部分です。自分で体位変換ができない患者の場合は、タオル・枕を使用して足を浮かせる工夫や、踵がベッドと接しない体位を取ることも可能です。

 
●デブリードマンで壊死組織を除去するには
壊死組織と健常な組織の境目がはっきりと確認できるようになってから、デブリードマンを行います。境目がくっきりと判明し、壊死細胞の周りに縁が浮き上がってきたら、デブリードマンを行います。

 
○デブリードマンと血流
健常な組織を育てて、褥瘡を快方に向かわせるためには、デブリードマンを行って壊死細胞を取り除くだけでは不十分です。処置を行ったうえで、血流を良くする方法を再考し、虚血の原因を取り除く必要があります。

 
●褥瘡ではない血流低下の壊死進行
創傷部分を治癒に向かわせるためには、血流促進が絶対条件です。血行促進が行われていない状態で、デブリードマンを実施しても、その効果は薄れるどころか壊死を助長させる可能性があります。
重度の下肢虚血が認められた場合には、外科的なデブリードマンを実施しても効果が期待されず、壊死を進行させてしまうので、まずは壊死の原因を確認し、血流が再建される環境をつくることが最も重要です。
下肢部分の褥瘡は、虚血と圧迫の状況と割合をきちんと判断し、処置後は感染を防ぎながら体圧管理と血流促進環境を整えることで、褥瘡の早期回復を行うようにしましょう。

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